フランス北西部ノルマンディー地方在住のトラベルコーディネーター小川裕子です。朝日が昇る時間がだんだんと早くなり、また日照時間もだいぶ長くなってきました。雲一つない青空が広がる日も多いですが、まだまだ寒い日が続いております。
2月17、18日に開催されていた「バニョル・ド・ロルヌ グルメ祭ーSalon Bagnoles Gourmand」へ足を運びました。今フレンチシェフの間で話題の日本の「YUZU-柚子」を栽培されている生産者の方にお話を伺ってきましたので、ご紹介いたします。

ノルマンディーでも栽培されている「YUZU」

今回出会った柚子生産者Guérard (ゲラール) 夫妻は、ノルマンディー地方 カルバドス県のファレーズ市近郊にて2011年からサフランの栽培を、そして数年前から日本の柚子も栽培されていらっしゃいます。日本から10本ほどの柚子の木を輸入し、今では1本の柚子の木から120~150ほどの柚子の実が採れるそうです。

Guérard (ゲラール)夫人

ジャムや果汁をマルシェで販売されているほか、柚子の果実はノルマンディーのレストランのシェフの元へ。そして芸術作品のようなお料理の中でも使われているようです。

そういえば、2015年にバニョル・ド・ロルヌでミシュラン星を保持している「Le Manoir du Lys」のマネージャーさんから、「セカンドシェフが日本の高知県へ足を運び、柚子の味に感動しておりました」と伺ったことがありました。今、この「柚子」がシェフの注目を集めているとのことです。

フレンチシェフも注目の「柚子」商品、どんな風に使われている ?

グルメフェアでは柚子を使ったジャム、柚子ハチミツ、シロップ、柚子パウダーが販売されておりました。店頭にいらっしゃったGuérard (ゲラール)夫人に どのような食べ方をお勧めされているのか、販売されていらっしゃった商品を元に聞いて参りました。

柚子を使った商品

「柚子はまだ フランス人の一般家庭には馴染みのない食材ですが、一流レストランのシェフの間では今話題の食材で、魚料理や海の幸 (帆立て貝、イセエビなど) とともに使っていらっしゃるそうです。まだ、保存方法についての知識があまりないため、例えばこちらのゆず果汁エキスは開封後10日ほどの賞味期限です。柚子パウダー(10g/12€ 日本円で約1500円)は主にお魚・魚介類のお料理に。そして、この柚子シロップ(100ml/10€ 日本円で約1300円)はモヒートのようなカクテルに使われる方もいらっしゃって、お勧めしております」と教えて頂きました。

柚子のジャム

ノルマンディー産の柚子のお味は?

お勧めされていたカクテルを自宅でも作ってみようと思い、私も柚子シロップを購入。「ラム酒&リモナード」と合わせて自宅で作ってみました。

柚子シロップ

まずはノルマンディー産の柚子シロップのお味から。柚子の柑橘系のさっぱり感よりも、コクのある甘さが印象的でした。果皮が入っているので、あえて果皮をかみ砕きながら、さわやかな柚子の香りも楽しむことができました。

柚子カクテル

日本では古くから使われてきた食材ですが、フランスではここ最近広まり始めたばかりです。日本の食材なので、やはり「こうして異国の地フランスで愛されていることは嬉しいな」と感じたとともに 、日本での「柚子の食べ方」や知識など日本の生産者や料理家の方の知識が必要とされていることを体感いたしました。

さて こちらのグルメフェア、 「地元の方の反応はどうだったか」について、現地在住で新聞社特派員のAlainさんにもお話を伺ってきました。

「今回が初の試みでしたが、ノルマンディーの食肉加工品生産者の方々、飲料(シードル・ポワレなど) 生産者の方々、また地元工芸家の方々など、44社が集まりました。料理のアトリエやデモンストレーションなどバリエーション豊かな企画に、生産者の方も見学者の方も皆さま大満足の様子でしたよ。来年も同時期に予定していますので、是非また来てください」とのお言葉を頂きました。

農業地区ノルマンディーならではの「グルメフェア」。ご興味のある方は、来年是非いらしてくださいね。

<取材協力>
Salon Bagnoles Gourmand
Bagnoles de l’Orne Tourismeバニョル・ド・ロルヌ観光局
住所  Place du marché
61140 Bagnoles de l’Orne Normandie
電話 +33 (0)2 33 37 85 66

Safran de Normandie
Annie GUERARDさん
住所 : Le Moulin du Gué Pierreux 14700 LA HOGUETTE

バニョル・ド・ロルヌ特派員記者 Mr. SCHEIDECKER Alain