味の素AGFは“和菓子に合うコーヒー”「煎」ブランドにおいて全国和菓子協会と「珈琲♡(ラブズ)和菓子プロジェクト」に取り組み、コーヒーと和菓子の相性の良さを訴求している。今回、同プロジェクトの新たな挑戦となる「AGF『煎』WAGASHI-INNOVATION(ワガシイノベーション)」で“歌舞伎”と“和菓子”のコラボレーションを実現している。

和菓子の可能性を広げるべく、日本の伝統文化の革新者とコラボレーションする「同イノベーション」の第1弾として同ブランドのイメージキャラクターの十代目松本幸四郎の襲名を記念した歌舞伎の演目「勧進帳」を題材としたオリジナル和菓子と「煎」のセット商品となる「わがしばなし」を開発し、9日から歌舞伎座(東京都中央区)と全国の和菓子店で限定発売している。

グランプリに選ばれた和菓子と「煎」の「わがしばなし」

新たなコーヒーと和菓子の楽しみ方を伝統文化のイノベーターとの共創により、さらなる浸透を図りながら、地域活性化にも貢献していく意向だ。

9日に歌舞伎座で開催した「AGF『煎』特別企画商品『わがしばなし』」記者発表会で、品田英明社長は「『勧進帳』を題材としたオリジナル和菓子を開発するコンテストを全国和菓子協会の協力の下、昨秋に開催したところ、56点の応募があった。書類審査によって選ばれた32店舗の作品から松本幸四郎の実食審査を経て、グランプリと準グランプリに選出された3種類の『わがしばなし』をこの歌舞伎座で発売するとともに、優秀賞以上の作品は各製作者の所属する和菓子店にてそれぞれの『わがしばなし』としても販売する。全国各地で3代襲名披露興行をお祝いする気持ちで楽しんでもらいたい」とした。

グランプリは榮太樓總本舗の青木誠治氏、準グランプリは千寿庵長崎屋の井上正和氏と清月堂本店の堀内誠氏が選出された。

グランプリの選考理由を松本幸四郎は「『勧進帳』の三役がリアルに再現されていることや各役柄をイメージした色彩などに最初に目が行ったことが大きかった」と話し、「決められた材料や製法の中からいかに『勧進帳』を表現したのか、その妙技を楽しんでもらいたい」と語った。

囲み取材に応じた品田社長は「全国各地の和菓子店でも楽しんでもらうことで、地域の活性化にもつながるなどのうれしい効果も出ている。今回も『煎』と和菓子の相性の良さが各地で普及することを期待したい」と語った。

◇日本食糧新聞の2018年1月17日号の記事を転載しました。