中央ヨーロッパ・ハンガリーの首都ブダペスト在住のフードライター旅野きっこです。ヨーロッパ全土に広がる美味しいグルメを各地のお酒とともに堪能する日々を過ごしています。冬まっさかりのヨーロッパでは各地で雪が積もり、ダウンにブーツにニット帽という完全防備をしながら、日常生活が送られています。
さて、そんなハンガリーの日常生活、特に食べられているものは何なのでしょうか。今回は「ハンガリーのパスタ」で最も有名な「ガルシュカ」をご紹介します。

ガルシュカはどうやって食べるの?

ガルシュカ=麺の1種なんて、ハンガリー人以外は浮かばない発想かもしれません。各家庭で手作りされることが多く、またレストランで伝統的なハンガリー料理を頼むとお目にかかることができるかもしれないのですが、実際どんなものなのでしょう。

ガルシュカ…ちょっとかわいい名前だけど…。実際どのようなものかを説明すると、「小麦粉を水でこねて、沸騰したお湯に指の先でつまんでコネコネしたものを入れて茹でたもの」となります、それ、何か美味しくなさそうだけど大丈夫? という声が聞こえてきそうです。

しかしこのガルシュカ、とにかくありとあらゆるハンガリー料理の「付け合わせ」として欠かさず供され、食べられる機会の多いもので、もうすでに立派なハンガリー料理の1つと言えるものなのです。

どんな料理と一緒に出てくるの?

ハンガリー料理といえば「とにかくパプリカを使う」ことが1番の特徴です。パプリカそのものはもちろんのこと、パウダーにしたもの(辛いものと辛くないものがある)、ペースト状にして辛味を楽しむものなどいろいろありますが、日本で見られる赤や黄色のもの以外に、サラダ用、辛くて小さいもの、マリネなど漬けておくもの用などさまざまな種類があるのです。

そんなパプリカを使った煮込み料理、代表的なものでは「パプリカチキン」や有名なスープ「グヤーシュ」が1番有名なハンガリー料理として知られていますが、これらにもれなく付いてくるのがガルシュカ。メインとともに、日本におけるご飯のように食べられるのです。

メイン料理として出てくることはあるの?

さまざまな料理の付け合わせとして出されるガルシュカですが、メイン料理として使われる料理はあるのでしょうか?日本でいう「すいとん」のような、家庭的なパスタがメインになるのか想像できますか?

実はちゃんとあります! 炒めた玉ねぎとベーコンに、サワークリーム、さらにこのガルシュカも一緒に絡め、チーズをかけてオーブンで焼くという料理が存在し、ハンガリーの家庭では結構な頻度で出てきます。

これだけ聞くと美味しそうですが何故か筆者はこの料理が苦手。でもハンガリーの家庭へお邪魔するとそれを避けることはなかなかできないというほど、よく食べられるものなのです。

やはりガルシュカはパプリカチキンやグヤーシュなどとともにご飯替わりに食べるというのが美味しくて良いですね! ハンガリー料理でなくとも好きなスープに加えるだけで腹持ちよくボリューミーになるので、興味のある方は一度お試しあれ!