中央ヨーロッパの首都・ブダペスト在住フードライターの旅野きっこです。ヨーロッパに点在する素敵な街を訪れながら、おいしいグルメとともにお酒を満喫する日々を送っています。
今回はハンガリーの夏の名物グルメのひとつである「フルーツスープ(Hideg Gyömölcs Leves)」をご紹介します。ハンガリーレストランには必ず用意され、観光客も地元住民も楽しむ「フルーツスープ」とはどのようなものでしょうか。

チェリーやアプリコットと生クリームで新しいテイスト!

フルーツスープはさまざまなフルーツを砂糖・シナモンやクローブなどのスパイスとともに煮込み、そこに生クリームやサワークリーム・牛乳などの乳製品が加えられたものです。乳製品は各家庭やレストラン・フルーツのバリエーションによって使うもの・量が変わります。

これを冷やし、甘くないホイップクリームやサワークリームと絡めながらいただきます。筆者はりんごやベリー・桃・チェリーなどがゴロゴロ入っているタイプが好みです。

ハンガリー語で「Hideg(冷たい)Gyömölcs(フルーツ)Leves(スープ)」というようにレストランでは冷たいものが主ですが、家庭では冬場には温かいまま食べられることも。

日本ではフルーツはデザートですが、ハンガリー料理にはフルーツをメインの食事として出されることもよくあります。このフルーツスープはもちろん、鴨やフォアグラのソースでもオレンジやりんご・ベリーなどが多用されます。あまり境界線がないのかもしれません。

フルーツスープのフルーツには、どんなものを使うのでしょうか。アプリコットやプラム・ベリー類・サワーチェリー・桃などが一般的で、特にサワーチェリーのスープはよく見かけます。

またフルーツが1種類のものもあれば、サワーチェリーやりんご・洋梨・いちご・ベリーなどさまざまなフルーツのカットがゴロゴロ入っているタイプ、ミキサーにかけて滑らかにしたものなど、いろいろなものが楽しめます。

フルーツスープはデザート?甘くないの?

ハンガリーのフルーツスープはデザートではなく、食事としていただきます。フルーツのスープなんて甘そうだし食事としていただくのはちょっと抵抗が…と思う方も多いでしょう。

実際にハンガリー在住の日本人でも食べず嫌いで結構そういう人は少なくありません。しかし。1度食べてみると食べやすさ・おいしさから抵抗がなくなる人がほとんどです。

砂糖で煮込むし、そもそもフルーツなんだから甘そう…さらにホイップクリームが添えられたものを食事として食べるのは、私達日本人にはピンときませんよね。

しかし暑い夏、甘酸っぱくてさっぱりしたフルーツスープは心身がリフレッシュするようなおいしさなんですよ! 酸味・甘み・フレッシュさがヨーロッパのドライな気候にピッタリ! 甘酸っぱさとクリームでまろやかなハーモニーが生まれます。夏にハンガリーを訪れたらぜひお試しください!