重ね煮アカデミー(R)認定講師そして、重ね煮弁当研究家の北知美です。朝晩涼しくなり、すっかり秋らしくなってきました。お弁当を持ってお出かけするにも、気持ちのいい季節ですね。自宅近くの小学校からは、運動会の練習の音楽や子供たちの楽しそうな声が聞こえ始めました。秋晴れの空の下、たまにはお弁当を持って出かけてみませんか?
切って重ねて火にかけるだけの簡単調理の重ね煮で、行楽弁当を作ってみましょう。

野菜だけなのに…教室の生徒さんも絶賛

第1回コラムで「お弁当にもハレとケでメリハリをつけましょう」というお話をしました。

普段のお弁当は前日の残り物が多い我が家、朝から揚げ物はあまりしませんが…。体育祭や遠足、ピクニックなどハレの日のお弁当には、揚げ物も登場します。

一見面倒なコロッケも、重ね煮ならとっても簡単! じゃが芋を蒸かして、野菜を炒めてなんて面倒な事は一切なしで、お鍋一つで出来てしまいます。しかも、野菜だけなのに…教室の生徒さんが「お肉が入っているみたい!」と絶賛のコロッケです。

前の晩に作っておけば、朝揚げるだけで簡単ですよ。

重ね煮コロッケ

(材料)

  • 人参 25g…みじん切り(皮ごと)
  • ニンニク1かけ…みじん切り
  • 玉ねぎ 120g… みじん切り
  • じゃが芋 500g… 角切り(皮ごと)
  • 水 1/2カップ
  • 塩 小さじ1
  • 胡椒 適量
  • 小麦粉 適量
  • パン粉 適量
  • 菜種油 適量

(作り方)

  1.  鍋の下からじゃが芋・玉ねぎ・ニンニク・人参の順に重ね、分量の水と塩の半量を加え、中火にかける。
  2.  野菜がやわらかくなったら、蓋を開け水気を飛ばし、弱火にかけながら鍋の中で潰しまぜる。
  3.  塩・胡椒で味を整える。
  4.  形を整え、小麦粉・水溶き小麦粉・パン粉の順に衣をつけ揚げる。

※レシピは重ね煮アカデミー(R)より記載

①鍋に材料を重ねる

②鍋の中で潰す

甘い物があると嬉しい! おやつも皮剥きいらずの重ね煮で

ハレの日のお弁当…少し甘い物があると嬉しいですね。おやつも重ね煮で作ってみませんか? これからの季節は秋の味覚のさつま芋が甘くなるのでお薦めです。

重ね煮は「一物全体食」(いちぶつぜんたいしょく)…皮を剥かず灰汁も取らず、生命丸ごと頂きます。皮と実の間に一番栄養があると言われています! しかも皮を剥く手間が省けてゴミも減らせて一石二鳥です。

芋ようかん

(材料)

  • さつまいも 400g…皮つきのまま2㎝厚さに切る
  • 水 1/2カップ
  • 梅酢 小さじ1/2
  • 寒天 2g
  • 含蜜糖 大さじ2
  • 蜂蜜 大さじ1
  • 塩 ひとつまみ

(作り方)

  1. 鍋にさつま芋・水・梅酢を入れてやわらかくなるまで煮る。
  2. 寒天を水で溶かし、含蜜糖・蜂蜜を加えて①と一緒にミキサーにかける。
  3. 型に流し固める。

※レシピは重ね煮アカデミー(R)より記載

秋の行楽弁当<稲荷ずし・コロッケ(重ね煮)・春巻き・ニラとモヤシのナムル(重ね煮)・芋ようかん(蒸し煮)・ピオーネ>

重ね煮の考え方「一物全体食」とは生命あるものを丸ごといただくこと

先ほども述べた「一物全体食」について、詳しくご紹介したいと思います。

「一物全体食」は、重ね煮の軸となる四つの指針のうちの一つです(もう一つの指針「食性」については第2回コラムを参照して下さいね)。

「一物全体食」とは生命あるものを丸ごといただくこと。生命あるものは全て陰陽の調和が取れた状態で存在しています。皮を剥いたり灰汁を抜いたりせずに生命丸ごと調理することで、食べ物が持つ栄養やエネルギーを余さず取り込めて、身体の陰陽バランスを整えることに繋がります。

重ね煮では、玉ねぎのしっぽ、ネギのひげ根やれんこんの節までも一緒にいただきますよ!