アサヒ飲料は7月12日に、神奈川県相模原市の市立夢の丘小学校で「『カルピス』こども乳酸菌研究所」を開催、4年生35人が参加した。これは、同社社員が小学生に乳酸菌と酵母の生み出す力を伝える出前授業で、次世代を担う子どもたちに“食”や“未来への夢”に関心を高めてもらうことを目的とした学校教育支援活動だ。

毎年、同社社長から新入社員まで100人以上が参加し、25校、50授業、約1500人の子どもたちへの授業を目標に取り組んでいる。これまでは、同社事業所近隣の小学校で開催していたが、開始から10年目を迎える今年は一般公募を開始したほか、科学館でのイベントや実施地域の拡大など、同授業の拡大実施を図っていく。

今回は岸上克彦社長をはじめ同社社員が講師となり、一部と二部の合計90分の授業を行った。「カルピス」誕生に至る物語のDVD鑑賞や牛乳と発酵乳の比較、乳酸菌の顕微鏡観察など、五感をフルに使用した体験を重視した授業を行い、二部の最後には、授業で得た知識を基に「誰かの笑顔のために、こんな乳酸菌を発見したい」をテーマに、グループごとの発表を行った。

「亡くなってしまった人が生き返ってくるような乳酸菌で、世界中を笑顔にしたい」「この世界に生まれてくるときに、自分を強くしてくれる乳酸菌」「大好きなおじいちゃん、おばあちゃんが長生きできる乳酸菌」など、さまざまなアイデアが発表された。

授業の最後には、岸上社長から「大切な誰かの笑顔のために新しい物を生み出すことや未来へのアイデアを考えるミッションを見事に達成した皆さんを“こども乳酸菌はかせ”に任命します」と認定証や記念のバッジなどが授与され、「カルピス」で乾杯し、授業は終了した。

岸上社長は、授業開始前の囲み取材に対し「“乳酸菌の大切さ”を伝えるこの授業が定着してきた、という実感がある。“乳酸菌が健康にどのように役立つのか?”“社会に、どのように役立つのか?”を子どもたちが自分で体験し、考えることが意義深いことと感じており、これからも続けていきたい」と語った。

7月7日は「カルピス」誕生日

アサヒ飲料は7月2日、「カルピス」ブランドの試飲販売をイトーヨーカドーららぽーと横浜店で開催した。これは、1919(大正8)年の7月7日に誕生した「カルピス」の誕生日を記念したもので、同社社員による量販店での恒例の試飲販売会となる。

当日の試飲販売会に参加した岸上克彦社長は「今回のように、お客さまと直接触れ合うことで、『カルピス』独特の甘酸っぱさやおいしさが時代や世代を超えて、本当に多くのお客さまに支持されていることが実感でき、本当に励みになる」と語る。

また、この上半期2桁増で推移する「カルピス」ブランドに触れ、「リニューアルした『カルピスウォーター』やコンクなどのベースとなる既存商品が伸長していることに加え、新たな価値を提案する『カラダカルピス』なども順調に推移しており、いい形できている」と説明。

同ブランド初の機能性表示食品の「カラダカルピス」については「“健康”に強みを持つ企業というイメージの醸成に取り組んでいることもあり、好調なスタートを切ることができたが、一過性のブームではなく、じわじわと長く売れ続けていけるような、息が長く、定着していけるように注力していきたい」と意気込みを語った。

同販売会への参加社員は年々増加しており、今年は1013人が参加予定で、370店舗での展開に取組み、「カルピス」ブランドのさらなる成長拡大を図っていく意向だ。

◇日本食糧新聞の2017年7月26日号の記事を転載しました。