「食物繊維が大事ということは知っているけれど、食事への取り入れ方がわからない」「子どもは野菜を食べないし……」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。食物繊維は、腸内環境を良くして便通をスムーズにする・血糖値の急上昇を抑えるなど働きがあります。そのため、ダイエットや、“健康食″と称される糖尿病のレシピにも食物繊維が多めに使われています。
このように、食物繊維は私たちの健康をサポートしてくれるので、家族みんなで不足の無いように摂りたい栄養素です。今回は、ママ管理栄養士・高村恵美が実践する食物繊維たっぷりの献立1週間分をご紹介します。子どもが食べやすい工夫やコツについても触れています。毎日の食事作りのヒントとして取り入れて、食物繊維を家族みんなで摂りましょう!

食物繊維たっぷり献立!4つのポイント

栄養を考えながら1週間の献立を考えるのは大変ですよね。買い出しの時は、いろんな色の野菜が揃うように意識して多めに買っておくことをおすすめします。それを普段の食事に少し足せば良いのです。普段の食事に上手く食物繊維を取り入れるポイントは以下の4つです。

主食を具だくさんにする

子どもが好きなカレーライスや丼物・炊き込みご飯を取り入れ、食物繊維がたっぷりな野菜などをふんだんに入れましょう。加熱することで野菜のカサが減って食べやすくなるメリットもあります。

また野菜だけでなく、主食のごはんにも食物繊維が含まれていますよ。主食のごはんを野菜などでカサ増しすることで、食べ応えはアップ!カロリーはダウンできるので、減量を目指す人にもおすすめです。

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汁物には昆布を入れる

昆布に含まれる成分の約40%は食物繊維であり、だし汁にも溶け出します。手順は、汁物を作るときにポンッと昆布を入れるだけ!そのまま具材と一緒に煮込んで、最後に取り出せばOKです。

最後に余った昆布にも食物繊維が残っているので、無駄なく使いましょう。用途に合わせてカットして、ポリ袋に入れて冷凍しておくと便利。

例えば、角切りにして煮物の具材に使ったり、細切りにして「麹納豆」(以下、金曜日のメニューに登場)に入れたり、みじん切りにして「たこ焼き」(以下、日曜日のメニューに登場)に入れて使うと、子どもも美味しく食べられます。1週間分ほど貯まると結構な量になるので、千切りにしてふりかけや佃煮にする場合もあります。

また、昆布だしはポットに水と昆布を入れて一晩おくという方法でも作れます。この出汁は、「昆布水」と呼ばれて糖尿病のレシピに使われたり、そのまま飲むこともできます。

乾物を活用する

乾燥わかめやひじき・干し椎茸・ごま・切り干し大根などの乾物には食物繊維が多く含まれています。長期保存ができる点も嬉しいですね。

1週間分まとめ買いをする家庭なら、週末に食材が品薄になってきた時にも献立に乾物を使えば食卓がさみしくならずにすみます。

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困ったときは粉寒天を入れるという手も

粉寒天は約80%が食物繊維です。ごはんにさっと入れて炊くだけで簡単に食物繊維が摂ることができます。目安は、米3合に粉寒天3gです。味は変わらず、もちっと美味しくなりますよ! 野菜が苦手な人やダイエットや減量をする人におすすめです。

【実例】食物繊維たっぷり1週間献立

月曜日

・炒め納豆丼
・つみれと大根の味噌汁
・野菜の塩麹浅漬け
・水菜のツナサラダ
・南瓜のクリームチーズ和え

炒め納豆には、納豆の他にも食物繊維が豊富な玉ねぎや人参がたっぷり!豚ひき肉と炒り卵も入っていて保育園でも人気の給食の献立です。

また、食物繊維が多い南瓜とリンゴをクリームチーズで和えて子どもも食べやすいサラダにしました。子どもは生野菜だと食べにくいので、一口食べればOKということにしています。

もちろん味噌汁は、昆布だしを使用していますよ。

火曜日

・ひじきご飯(ツナ・人参・ひじき・白滝)
・味噌汁(白菜・油揚げ)
・ひよこ豆のサラダ(鯖水煮・サニーレタス・マヨネーズ)
・レンチンキャベツとトマト(人参ドレッシング)
・南瓜煮つけ

食物繊維が多いひじきや白滝などが入った炊き込みごはん。具材を全て炊飯器に入れてスイッチオンで出来上がり!

レンチンキャベツは、キャベツ1/4個をお皿にのせてラップをしてから600Wで10分加熱し、そのまま冷やしたもの。柔らかいので、子どもも食べやすく仕上がっています。子どもはマヨネーズをかけて食べました。

ひよこ豆も食物繊維が豊富な食材です。

水曜日

・赤飯(甘納豆)
・味噌汁(小松菜・油揚げ)
・レバーとキャベツの炒め物
・切り干し大根の味噌ヨーグルト和え
・冷奴

赤飯の甘納豆には食物繊維が豊富。甘納豆は、砂糖が多いので減量やダイエットをしている人には小豆の赤飯をおすすめします。

切り干し大根のヨーグルト和えは、朝に切り干し大根をヨーグルトと混ぜておくと、夜には柔らかく戻っているので、そこに味噌とマヨネーズを加えて調味するだけで完成です。食物繊維とビフィズス菌で腸内の善玉菌が喜びます。

木曜日

・雑穀ごはん
・具だくさん豚汁(豚肉・玉ねぎ・大根・芋・人参・ごぼう・豆腐・油揚げ・こんにゃく・豆腐・椎茸)
・麴納豆(出し殻の昆布を千切りにしたもの・人参)
・蒸し南瓜のゴマ塩かけ

豚汁には、食物繊維が豊富な食材がいっぱい入っています。ごぼうは、水にさらすと水溶性の食物繊維が逃げてしまうので水にさらさずに使用しています。(煮込んだ時に出るアクは取り除きましょう)

麹納豆は、コリコリの人参と甘辛い味付けで子どもたちも大好きなので、常備菜として多めに作っています。

食物繊維はもちろん、納豆菌や麹菌たっぷりで腸活もバッチリ!ダイエットの味方ですね。

金曜日

・ビビンバ(豚ひき肉・もやし・人参・ニラ・豆腐)
・さつまいもの味噌汁
・南瓜サラダ

またまた南瓜登場。プルーンとチーズ入りのサラダに。さつまいもとの組み合わせで炭水化物が多くなってしまいました・・・

ビビンバも保育園で人気の献立です。具材を全部混ぜて煮込んで最後に水溶き片栗粉でとろみをつけているので食べやすく、盛り付けも一気に盛ることができるのでかなり時短になります。

味噌汁のさつまいもや、サラダに入っているプルーンも食物繊維が豊富です!

土曜日

・雑穀米の小豆入りドライカレー(豚ひき肉・小豆缶やプルーン・トマト缶・人参・ピーマン・玉ねぎ)
・鶏ハムとサニーレタストマトサラダ

ドライカレーは、食物繊維が豊富な小豆缶やプルーンが入っているのがポイントです。具材全てが細かくみじん切りになっているので、子どもも食べやすくモリモリ食べてくれますよ。1週間分の余り野菜の使い切りレシピとしても優秀です!

また、フードプロセッサーがあるとかなり時短になるのでおすすめです。ドライカレーにふんだんに野菜が入っているので、子どもはこれさえ食べてくれればOKと思っています。

生野菜のサラダは、子どもにとってはオプションくらいで考えているので気持ちがラクになりますよ。

日曜日

・たこ焼き(タコ・チーズ・おから・昆布の出し殻・長いも・キャベツたっぷり)

我が家は、夕食の献立に栄養満点なたこ焼きが登場します!具材にはタコやチーズの他に、食物繊維がたっぷりな昆布の出し殻(みじん切りにして冷凍しておいたもの)・おから・長いも・キャベツ入りで食べ応え抜群です。子どもに焼くのを手伝ってもらってみんなで楽しく食べます。

ちなみに、子ども達はおからや昆布が入っていることには気づかずにパクパク食べてくれます。ソースやマヨネーズで自分好みの味付けができるのもうれしいようですよ。

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まとめ

食物繊維は献立に意識して入れないと、不足しがちになってしまいますよね。ポイントは、子どもが好きな献立に食物繊維が多い食材をちょい足しすることです。これなら子どもも無理なく美味しく食べてくれます。

また、丼物やカレー・豚汁など具だくさんの料理を1品作っておけば、「これさえ完食できればOK!」とママの気持ちもラクになるのではないでしょうか。

是非、ご紹介したテクや献立を参考に食物繊維たっぷりメニューに挑戦してみてください。