江崎グリコは、生産子会社グリコ千葉アイスクリームの工場内に同社初のアイスクリーム見学施設「グリコピアCHIBA」を新設した。7月13日のオープンを前にした12日には、セレモニー・内覧会を開催。江崎勝久社長は「もっとアイスクリームを広く知っていただきたい」と見学施設を通じた情報発信に力を注ぐ方針を示した。

同工場は昨年9月に既存工場を拡張した建屋が完成し、今年2月に稼働を開始。1.5倍の生産性向上を図り、より滑らかスムージー食感に改良した「パピコ」や、自販機専用「セブンティーンアイス」などを製造。同社アイスクリーム工場の中では最大規模となる。

12日のオープニングセレモニーでは、パピコのイメージキャラクター吹石一恵、鈴木有野田市長、千葉県知事代理の平川政則千葉県商工労働部企業立地課副課長が駆け付け、お祝いのコメントを寄せた後、江崎社長、江崎悦朗専務が加わって、テープカットを行った。

江崎社長は「今後はパピコ、セブンティーン以外の商品も作りたい」と同工場を最大活用していく考えを示した。見学施設は、同社が食品事業を通じて社会貢献を目指す一環として設置。「おいしさと健康」の企業理念のもと、「地域の皆さま、子どもたち、得意先さまに親しまれるとともに、社内研修にも活用したい」(江崎社長)と今後も充実を図っていく。

施設内は、見学と体験を通じてアイスクリームに関する知識など“見て、学んで、楽しめる”エンターテインメントファクトリー。クリーンルームのエアシャワー体験や、アイスクリームミックスを巨大なタンクでかき混ぜる「エージングタンク」模型を見学通路に設置し、「フォグスクリーン」と呼ばれる霧のスクリーン表面に攪拌する様子を投影。

また、同工場内では充填した「パピコ」を国内最大級の「スパイラル急凍」で冷凍するが、見学通路のエレベーター内では、それをイメージしたCGが見られる。このほか、冷凍庫内の氷点下体験、アイスクリーム作り体験(2人キット1500円)なども用意している。

1分間で約400本のパピコが充填されるところを、工場内にあるカメラを操作して近寄ったり離れたりしてその工程を確認できる

 

〈工場概要〉
▽名称=グリコ千葉アイスクリーム▽住所=千葉県野田市蕃昌10番地▽延べ床面積=2万5988平方m▽従業員数=約230人▽生産能力=1万5000kl▽特徴=(1)環境配慮(CO2の25%削減)(2)業界最高水準の品質・安全の確保(3)高い生産性(既存の1.5倍)
〈グリコピアCHIBA概要〉
▽館長=吉村貴宏▽主な施設=1階映像上映ホール・有料体験コーナー、3階・5階製造工程見学通路▽施設面積=3543平方m▽案内時間=午前9時30分、10時30分、12時30分、午後1時30分、2時30分の5回(所要時間約70分、予約制)▽入館料=無料

◇日本食糧新聞の2017年7月24日号の記事を転載しました。