「捨てないで!りんごが悲しむよ」「最後まで食べきろう」「皮も食べて」「しなしなになる前に」「教えます!保存方法」「にんじんにもパックが必要」。東京都墨田区のフードスクエアカスミオリナス錦糸町店(砂田修店長)の店内掲示スペースで、墨田区立錦糸小学校5年の児童たちが描いた色とりどり38枚の『食品ロス削減POP』が5日から展示されている。

作品集には「たくさん教えてくれたことを、これから生活にいかしていきたい」「これからは食材をなるべくむだにしないようにします」とまとめの言葉も添えられている。

POPは2月15日にオンラインで行われた、カスミによる食品ロス削減対策連携講座を受け、児童たちが描いた。講座では家庭から発生する食品ロスのうち、食品別で最も多い野菜と果物に着目。カスミ青果売場との中継で砂田店長から店舗の食品ロス削減の取組みが説明された。

また、家庭での保存方法やおいしく食べきるコツが紹介された後、児童1人1人が食品ロス削減を訴求する手描きPOPを作成し、周囲の人と情報共有し協働して継続的に食品ロス削減に取り組むことを目指した。

フードスクエア カスミ オリナス錦糸町店(東京・墨田区)の店内掲示スペースに展示された、錦糸小学校5年生の作品

講師を務めたカスミのSDGs推進食育健康サポート担当の山本佳苗さんは、食品ロス対策術とともに、健康的な食事の指標である食事バランスガイドと野菜・果物の適量摂取を推進する5ADAY(ファイブ・ア・デイ)運動を伝え、「健やかな体を作り、食品ロスを減らして地球のさまざまな問題を解決するためにも、食べ物を大切に食べきることを続けてください」と締めくくった。

また砂田店長は児童たちの作品を見て、「皆さんの意欲あふれる力強い表現は本当に素晴らしい。熱意に触れ、こちらも大きな刺激を受けた」と感謝の言葉を送った。

学級担任の奥村美里教諭は「当学級は1年間をかけ、食品ロスの学習を行ってきた。今回は、地域の食品スーパーとの連携だからこその身近な食品ロスと食育を組み合わせた濃い体験学習となり、実施後もPOP作品を掲示し、子どもたちの学習や学びの姿を価値付ける温かい言葉をいただき、皆の励みとなっている」と感想を語った。

◇日本食糧新聞の2022年3月10日号の記事を転載しました。