「チャイナ飯店」は地元客はもちろん、SNSで評判を知った人が遠方からも訪れる店。現在地で30年以上、町中華の老舗店として人気を集めている。「まかないは当番制とかではなく、それぞれ自分で作ります。その方が自分がその日食べたいものが食べられていいんですよね」。

この日、鐘本漢威オーナーシェフが作ったのはたっぷりのキノコ類、豚ばら肉、オクラ、玉ネギ、ニンジン、キクラゲ、タケノコの水煮などの炒め物。キノコ類とオクラは近所のスーパーで購入したが、あとは店にあるものを使い回す。

鐘本シェフの両親は台湾出身で「これは台湾の家庭料理で、母がよく作ってくれました。うちは母も料理上手で、母の味付けのあんばいは絶妙なんですよ」。

黒豆の発酵調味料の「豆鼓」が味にコクと深みを出す

味の決め手は豆鼓(トウチ)。市販の豆鼓に火を入れて自家製「豆鼓醤」を作る。にんにくのみじん切りと一緒に炒めて香りを出したところに具材を投入。黒豆を発酵させた豆鼓のコクが味付けの決め手だ。まかないとはいえ、さすが本格的な仕上がりになっている。

■店舗情報
「チャイナ飯店」
横浜市南区井土ヶ谷中町157

◇外食レストラン新聞の2022年1月号の記事を転載しました。