明治は、日本初の幼児用調整液状乳(液体ミルク)「明治ステップ らくらくミルク」=写真=を9月から全国で発売している。1~3歳ごろの脳の働きや成長に必要な鉄や栄養素を配合し、液体ミルクならではの調乳の手間を省ける仕様。同品の発売を通じて幼児期の鉄摂取の必要性について啓発・認知拡大にも取り組む方針で、幼児用ミルク(フォローアップミルク)の市場活性化を図る。

同品は、1~3歳ごろの不足しがちな栄養をサポートするグローイングアップフードシリーズ「明治ステップ」と同様の栄養設計。幼児期の発育に大切であるが、不足しがちな栄養素をまとめてとることが可能だ。

特に、同時期の脳の働きや成長に必要な鉄を1日分の2分の1以上摂取でき、その吸収を助けるビタミンC・Dも1日分の2分の1以上含む。幼児期の発育に大切なカルシウムや7種のビタミン、DHAも配合している。調乳不要の液体ミルクなので、手間がかからず、開封してコップなどに移し替えるか、ストローなどを使ってすぐに飲むことができる。

容量は240mlで、希望小売価格は税込み218円。賞味期限は10ヵ月を設定しているが、保存性を確認次第延長も検討していく。

同社は2019年3月から、0~1歳児向け乳児用液体ミルク「明治ほほえみ らくらくミルク」を発売。現在は国内最長18ヵ月の賞味期限を実現しており、国内市場トップシェアを誇る。

1~3歳ごろの幼児期の脳は、活動量の増加に伴って大人の数倍の酸素が必要。そのため、脳に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となる鉄は積極的に摂取する必要がある。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、幼児期の摂取推奨量を男女とも1日当たり4.5mgとしているが、不足しているのが実態。

明治の調査によると、幼児期の鉄の摂取不足には、通常の食事だけでは鉄不足に陥っている実態や、鉄不足のリスクが知られておらず、必要性が認識されていない状況があるとされる。

◇日本食糧新聞の2021年9月22日号の記事を転載しました。