災害食や介護・離乳食などコメ加工品を製造・販売するまつやは、新潟市北区にある老舗割烹「大倉屋」の監修による即席雑炊シリーズ「さけぞうすい」「たいぞうすい」=写真=(各350円)を1月から販売開始した。常温で5年間の長期保存が可能のドライタイプで、長期保存目的だけでなく、手軽に料亭監修の味を楽しめる商品。今春には既存の「ふぐぞうすい」「ほたてぞうすい」もリニューアルして、料亭監修シリーズで展開する。

まつやも大倉屋も、ともに地元にある創業100年以上の業者同士で、コロナ禍の負の現状を打開するため今回コラボ企画が実現した。大倉屋からの「魚に焼きを入れることで生臭さが取り除かれると同時に香ばしさが加わり、魚のうまみがさらに引き立つ」という助言を受け、サケ・タイともに「焼き」の工程を追加。素朴な味わいの中に、素材感を際立たせた。

「たいぞうすい」(各350円)

まつやは米加工一筋113年を超える企業で、創業以来伝わる米粉の製粉技術を応用し、自社開発した製造技法で、素材を丁寧に焼き上げると同時にうまみや栄養を閉じ込めてロングキープと高アルファ化を実現。フリーズドライ製法とは異なる同社オリジナル製法で製品化した。化学調味料や着色料など一切不使用で、7大アレルゲン不使用。国産米100%の自然派雑炊に仕上げた。

パッケージに直接お湯を注いで混ぜるだけで、10分で完成。スプーン付きで災害時だけでなくキャンプやアウトドア、長期滞在の用途にも適している。また、原材料にこだわるユーザーやライトで消化器の負担を軽減するためのダイエット、病中病後の食事など回復食もターゲットにする。

簡単調理ながら、本格雑炊が味わえ、付加価値の高い話題性のある商品に育成する。大倉屋でも取り扱えるようギフトセットも企画中。また、現行品の「ふぐぞうすい」「ほたてぞうすい」も大倉屋に監修してもらい、味をブラッシュアップして今春リニューアル発売する。

◇日本食糧新聞の2021年3月10日号の記事を転載しました。