国産のジビエを家庭でも手軽においしく食べるワザを、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事を務める、「オーベルジュ・エスポワール」の藤木徳彦オーナーシェフが伝授します。野山を駆け巡り、自然のものを食べて育った野生獣の肉は、「森の恵み」そのもの。「赤身も脂肪も、その味わいは格別!」と、藤木シェフは絶賛します。

お酢で肉を軟らかくするひと手間を

なかでも、イノシシ肉は季節によって肉質が変わる面白い食材。秋から冬にかけてはたっぷりとのった脂身が、春から夏はさっぱりとしたジビエならではの天然の味わいが楽しめます。

家庭のフライパンで手軽に調理できるメニューとして、藤木シェフが提案するのは「イノシシスライス肉と野菜のオイスターソース炒め」です。ポイントは、加熱調理前にイノシシ肉を、「酢を加えた調味液に漬ける」こと。イノシシ肉は豚肉とよく似た肉質ですが、家畜の豚肉と比べて全身が筋肉なので肉質が少し固く、肉を軟らかくするひと手間が必要です。

フライパンで加熱調理する前に、砂糖、塩、サラダ油、酢を混ぜ合わせた調味液に10分ほど漬け込みましょう。あとは豚肉、牛肉などを使った普通の炒め料理と同様の調理工程で、野菜とともにしっかりと炒めればOKです。「酢を加えた調味液に漬け込むと酢の力で、イノシシ肉が軟らかくなります。イタリア料理ならバルサミコ酢、フランス料理ならワインビネガーを使うと良いですね」と、藤木シェフは言います。

また、 “おうち焼肉”の新しい楽しみ方として、藤木シェフはスライスしたイノシシ肉の活用をアツくおすすめしています。

「イノシシ肉は、脂こそが醍醐味」と、藤木シェフ。シャキシャキとした食感で、脂身といってもくどい脂っこさはまったくなく、あっさりと食べられる。イノシシ肉の脂身は、不思議な魅力を持つ食材です。イノシシ肉をホットプレートでシンプルに焼くと、この脂の魅力が十分に楽しめます。

焼く前には、オリーブ油、塩、ブラックペッパーで肉を軽く漬けておくと、おいしさが引き立つ、というのが藤木シェフの食べ技。オリーブ油に漬けることで、イノシシ肉がしっとりと焼き上がるそうです。

焼き具合は、表面がカリッとするぐらいまで香ばしく。脂のおいしさと赤身の適度な歯ごたえが絶妙で、いつもの牛肉とはまた違った、ジビエならではの魅力が堪能できるはずです。

【おうちでジビエ】「オーベルジュ・エスポワール」の藤木徳彦オーナーシェフが『イノシシ肉のオイスターソース炒め』のおいしい作り方を伝授! #元気いただきますプロジェクト – YouTube