和牛肉のおいしさについて、女子栄養大学栄養学部の西村敏英教授が食品化学の見地から解説し、おうちで和牛肉を調理する際のおいしい食べ技をご紹介します。「和牛肉は肉質が良いため、シンプルな調味で食べるのがベスト」と西村教授。

焼肉としゃぶしゃぶで検証!

和牛肉の脂肪と赤身、両方のおいしさを堪能するなら「焼肉」を、脂肪のおいしさをしっかり味わうなら「しゃぶしゃぶ」を、西村教授はおすすめしています。

まずは、「焼肉」。和牛肉の魅力を味わうために、今回は「適度にさし(脂肪交雑)が入ったA3~A4」の和牛肉を用意しました。ホットプレートで焼くと、脂のおいしさと、加熱したことで生じる赤身の香りがいっそう楽しめます。味付けはシンプルに、塩、コショウで。

一方、「しゃぶしゃぶ」は、ホットプレート焼肉と比べてお肉にかかる温度が低いため、脂肪のおいしさが際立ちます。しゃぶしゃぶはポン酢をつけてもおいしいですが、ポン酢無しでそのまま食べると、和牛肉本来の味わいがしっかり楽しめます。

【おうちで焼肉】女子栄養大学・西村敏英教授が食品科学の見地から和牛肉のおいしさを検証 #元気いただきますプロジェクト – YouTube

西村教授によると、和牛肉のおいしさを決めているのは「香り」と「軟らかさ」とか。肉に含まれるうま味物質は実はそれほど多くなく、私たちが牛肉を「おいしい」と感じるのは、「香り」と「軟らかさ」によるところが大きいそうです。

和牛肉のおいしさを決める「香り」は、「和牛香」と呼ばれる脂肪の甘い香りと、赤身を加熱することで生じる「加熱香気」です。口の中に入れた和牛肉から出るこの2つの香りを鼻で感じ、おいしいと感じるというわけです。

また、和牛肉にはサシ(脂肪交雑)が多く入っていて、しっかり焼いても脂肪部分で噛み切ることができ、軟らかく食べられます。さらに、和牛肉の脂肪の融点は低く、口の中で脂肪が溶けるため、肉汁がたっぷりあるジューシーな肉と感じられる。これもおいしさの大きなポイントになっているのです。

【おうちで焼肉】女子栄養大学・西村敏英教授による和牛のおいしさ講座 #元気いただきますプロジェクト – YouTube