国産のジビエを家庭でも手軽においしく食べるワザを、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事を務める、「オーベルジュ・エスポワール」の藤木徳彦オーナーシェフが伝授します。野山を駆け巡り、自然のものを食べて育った野生獣の肉は、「森の恵み」そのもの。「赤身も脂肪も、その味わいは格別!」と、藤木シェフは絶賛します。

ヨーグルトに漬けて唐揚げに

今回、用意したのはシカのもも肉。シカのもも肉は脂がほとんどついておらず、とてもヘルシーな赤身肉です。しかし、赤身肉は加熱すると、固くなってしまいがち。そこで藤木シェフがおすすめするのは、「ヨーグルトに漬け込む」手法です。シカ肉を無糖ヨーグルトに漬け込むと、加熱調理しても軟らかく仕上がります。

家庭で誰でも簡単においしく仕上がる料理として、藤木シェフは「シカ肉の唐揚げ」を提案。通常の唐揚げと同様、醤油、日本酒、みりん、おろしニンニク、おろしショウガなどでお肉に下味をつける際に、無糖ヨーグルトを合わせます。鹿肉200gに対して無糖ヨーグルト30gぐらいが適量。冷蔵庫で1時間ほど漬け込みましょう。

あとは片栗粉(または小麦粉)をまぶしてカラッと揚げるだけ。「ヨーグルトにつけ込んでから調理すると、高温で揚げても驚くほど軟らかく仕上がりますよ」と藤木シェフ。実際、 軟らかくて、クセも臭みもまったく感じられません。「自然のお肉をいただいている」という実感が、おいしさをさらに引き立てる。ジビエのイメージが大きく変わる、食べやすい味わいです。

一方、家庭でホットプレート焼肉をする際、ジビエを使ってみてはいかがでしょうか。

「このたれに漬け込むと、軟らかくおいしいシカ肉の焼肉が楽しめる」として、藤木シェフが考案した特製たれは次の通り。

すりおろしリンゴ45g、醤油25g、酒13g、みりん8g、砂糖2g、ごま油2g、おろしニンニク1g、サラダ油3gを、混ぜ合わせます。この特製たれにシカのスライス肉を漬け込み、冷蔵庫で30分程度寝かせたら、あとはホットプレートで焼肉を楽しみましょう。

このたれのポイントは、「すりおろしリンゴ」と「サラダ油」。すりおろしリンゴの効果でシカ肉が軟らかくなり、またサラダ油が絡むことで、脂肪の少ないシカ肉がしっとりと焼き上がります。リンゴの代わりにキウイやパイナップル、塩こうじでも、シカ肉を軟らかくする効果が見込めるそうです。

家庭料理やおうち焼肉に、天然の味わいが楽しめるジビエをぜひ使ってみてください。いつもの牛肉、豚肉、鶏肉とは違う“新しいお肉”は、食卓の楽しみをいっそう多彩にしてくれるはずです。

【おうちでジビエ】「オーベルジュ・エスポワール」の藤木徳彦オーナーシェフが『シカ肉の唐揚げ』をやわらかく仕上げる技を伝授! #元気いただきますプロジェクト – YouTube