体質に合った食生活と「やみつきズボラ飯」でコロナ太り解消を…管理栄養士・高杉保美さん
コロナ禍のいま、外出が減ったことから「コロナ太り」に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。管理栄養士の高杉保美さんは、業界最大手のパーソナルトレーニングジムで2000人以上の栄養指導を行い、ご自身も半年間でマイナス15kgのダイエットに成功しています。そんな高杉さんが考案したダイエットメソッドや痩せるための秘訣、やみつきズボラ飯について教えていただきました。
体質は4つのタイプに分けられる 圧倒的に多いのは「糖質過剰」タイプ
業界最大手のパーソナルトレーニングジムで2000人以上のカウンセリング、栄養指導を行い、体質や悩みに合った食事を提案してきました。その経験から分かったのは、体質は、食生活や生活習慣などにより「糖質過剰」「脂質過剰」「代謝不良」「ビタミン・ミネラル不足」の4タイプに分けられるということでした。
中でも圧倒的に多いのは、炭水化物や甘い物をよく食べる「糖質過剰」タイプ。このタイプの人は食事で太るのが特徴なので、ごはん、パン、麺などを控え、肉、魚、卵、大豆製品を食べるなど、食事を少し工夫すれば痩せやすいといえるでしょう。
女性に多く見られ、脂身の多い肉や揚げ物が好きな方が当てはまりやすいのが「脂質過剰」タイプです。このタイプの人は、揚げ物、ドレッシング、マヨネーズなど太る油を控えるのがポイントです。
見た目は太っていなくても、筋肉量が少なく、代謝が悪い「代謝不良」タイプは、たんぱく質が不足しがちです。たんぱく質を多く取り、先に食べることで効率良く吸収できます。
お酒をよく飲む方に多いのが「ビタミン・ミネラル不足」タイプ。栄養バランスを整えるためにも、さまざまな食材を食べ、間食にはナッツや乳製品を取ることも大事です。
ダイエットで大切なのは、自分の体質を見極めることです。体質に合わせて食生活を改善していけば、効率よく痩せることができるはずです。
経験を元にした「やみつきズボラ飯」 野菜やたんぱく源が簡単に取れる
大学生の頃、上京をきっかけに、友人やバイト仲間とおいしいものをお腹いっぱい食べるようになり、1年間で15kgも太ってしまったことがあります。このままではいけないと思いダイエットをスタートしたものの、過度な食事制限をしたため、すぐにリバウンド。失敗を繰り返しながらたどり着いたのが、糖質を控えて、野菜とたんぱく源を増やすという食事方法でした。この方法がマッチして、半年間で15kgの減量に成功しました。
そうした経験や、ダイエットをする方に「サッとつくれて栄養があるものを教えてほしい」と言われたことがきっかけで考案したのが「やみつきズボラ飯」です。手軽な材料で工程も少なく、電子レンジ調理など短時間でつくれるものが基本です。
例えば、アボカド、ミニトマト、鮭フレークを酢であえたものや、トマトジュースに塩、こしょう、油を混ぜ合わせ、電子レンジで加熱するだけのトマトスープなど、簡単なものばかり。レシピのハードルが下がれば、自炊が面倒くさい方でもつくりやすいので、野菜やたんぱく源も、しっかり取ることができますよね。
いまの季節は、よく白菜を使います。鍋料理にすると、かさ増しになり、汁ごと飲めば水溶性のビタミンも取ることができます。私がとくに好きなのは、しめじ、えのきなどのきのこ類をたっぷり入れた豆乳鍋。不溶性食物繊維がたくさん取れますし、免疫力アップにもつながります。
きのこ類ではえのきを使うことが多いですね。麺のように食べることができて、歯応えもあるので、ダイエットにも向いています。えのきを電子レンジで加熱して細かく刻み、青じそ、納豆と混ぜ合わせたものをごはんのお供としてよく食べています。
コロナうつを防ぐためには葉物野菜を取り入れて
コロナ太りの原因は、活動量が減ったこともあるのですが、自由な時間が増えることで、食生活や食事の時間が乱れてしまうのも要因の一つです。また、副交感神経も影響しています。家でリラックスしている時間が増えると、副交感神経が優位に働くので、代謝が落ちてしまうのです。そうすると、これまで通りの食生活でも脂肪を蓄積しやすく、太りやすくなってしまいます。身体を動かすと交感神経が活発になるので、適度な運動も取り入れるといいでしょう。
また、コロナ禍で不安になっている人もいるのではないでしょうか。実は栄養バランスが整っていない人ほど不安になりやすく、とくに、鉄分やビタミンB1、マグネシウムが不足していると、うつ症状になりやすいのです。メンタルを健康に保つためにも、鉄分を多く含む小松菜やほうれん草、春菊など、葉物野菜を取るように心がけて欲しいですね。
この時期は体調も崩しやすいので、ビタミンCを積極的に取ることも大切です。ビタミンCは、ビタミンの中でも唯一、体の中で生成できないため、口から取らないと不足してしまいます。冬場は手軽なみかんがオススメですね。
お正月は、お餅を食べる機会も多いので、糖質の量が増え、むくんだり、脂肪も増えやすくなりがちです。野菜などに含まれる食物繊維には糖質の吸収を抑制する働きがあるので、最初に野菜を食べるよう意識し、普段よりたくさん取るようにすると、お正月太りも予防できると思います。
<プロフィール>
たかすぎ・ほみ 管理栄養士、ヘルスビューティーアドバイザー。マイナス15kgのダイエット成功をきっかけに、業界最大手のパーソナルトレーニングジムにて2000人以上に栄養指導を行う。独自の食事指導サービスを開発し、現在はダイエットやアンチエイジング、脳活性などの分野でセミナー講師、個別栄養指導をメインに活動中。初の著書『やセレクション ~これを選んで食べたら、15kgやせました~』を発売。
『やセレクション ~これを選んで食べたら、15kgやせました~』
高杉保美著/主婦の友社
定価:1200円(税別)
◇百菜元気新聞の2021年1月1日号の記事を転載しました。
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