今年3月、発売と同時に売り切れが続出した本があります。それが、勝間さんの最新刊『勝間式超ロジカル料理』。絶対においしくなる「塩分の法則」や最高に健康になる方法、いくら食べても勝間さんが太らないワケなど、“勝間式”の秘訣を惜しみなく紹介しています。読んだ人の「幸福度」が上がること間違いなし!効率化マニアで三姉妹の母でもある勝間さんに、超ロジカル料理の原理原則を伺いました。

家族が健康で今よりもっと幸せに そんな料理方法をお伝えします

あると便利な野菜のナンバーワンは「なす」。蒸すと甘味と弾力が引き立ち、味も食感も俄然アップします。使い勝手が良く、サラダ、みそ汁、カレー、パスタなど、展開も無限。野菜を焼いた作り置きはかたくなりますが、蒸し野菜はみずみずしさがキープされます。

この本では、多くの方が抱える「料理が苦手」「忙しくて時間がない」「レシピを見るのが面倒」「どうしたらレストランよりもおいしくて早くて安い自炊が継続できるか」といった悩みが一掃される方法を紹介しました。

私は料理研究家でもシェフでもありません。でも、効率化や最適化、問題解決のためのフレームワーク構築においては、コンサルタントとしての経験と実績があります。それは、料理にも生き方にも応用できるものなんです。

実際、料理を最適化してから、62kgあった体重が今では50kgに。仕事の能率や幸福度、人生の生産性も上がりました。

このロジカル料理に行き着いた背景には、20代から30代の半ばまで、ひどい食生活をしていた経験があります。

私は身長158cmですが、当時、体重が60kg前後もありました。痩せるためにカロリー計算をしたり、糖質制限、病院のダイエット外来にも挑戦し、国内外のあらゆる本を読みあさって行き着いた答えが、「食生活を改善しない限り痩せない」という事実でした。当たり前ですね(笑)。

健康的でおいしいごはんがあればOK! 仕事はそれを実現するための手段

30代後半まで仕事第一主義でしたが、「家事をもっと大切にすれば良かった」という思いがあります。もし今、家事ができないほど仕事に追われていたら、「この生活はちょっとおかしいぞ」と疑ってみてください。

人は、おいしくて健康的なごはんを食べ、きれいな家で過ごしていれば、たいてい幸せなものです。仕事はそれらを実現する手段なのです。

私は4人きょうだいの末っ子で育ち、食べ物の好き嫌いが多く、小さい頃はよく熱を出していました。大学4年の時に長女を出産。2DKの部屋で夫と娘の3人暮らしを始めました。

当時、夫の手取りは20数万円。家賃12万円を払うとカツカツでした。就職はバブル景気による超売り手市場でしたが、乳飲み子がいるとどこも雇ってくれません。結局、残業なしの外資系会計事務所に就職しました。

1日24時間を自分のために使える人と違い、ワーキングマザーにとっての「自分時間」は限られています。すきま時間で集中力を高め、効率良く知識を吸収する力は、その時に養われました。

94年に次女を出産。98年にコンサルティング会社に転職した翌年、三女を出産。当時、そこで学んだのが200以上のフレームワークでした。もともと私は怠け者で、仕組みをつくった方が自分もラクだし、多くの人の役に立って無駄もありません。

それが勝間式超ロジカル料理の土台です。もしロジカル食材として一つあげるなら、大玉トマト! グルタミン酸、イノシン酸によるうま味の相乗効果で、トマトを入れると何でもおいしくなりますから。

加熱のし過ぎが料理をまずくする 「適温調理」で誰でもプロの味!

私は料理が好きで、レストランではシェフにおいしさの秘訣を教えてもらいます。人がおいしいと感じる要素の一つが「異なる味や食感が組み合わさった一皿」と知り、食材を考える時はシャキシャキ、ホクホク、カリカリなど、味や食感が異なるものを3種類ほど組み合わせます。彩りも栄養バランスも良くなります。

これまで読んだ料理の専門書は数百冊。複数の料理教室に通い、数え切れないほどの調理家電を購入し、使い勝手を自ら確かめました。今は、東京・五反田で「クスクス」というキッチンスタジオを経営し、「超ロジカル料理」が実体験できるイベントを開催しています。

私の料理レベルが格段に上がった転換点が、「適温調理」です。肉は70~80℃、きのこや葉野菜は60~70℃など、低温でゆっくり調理するのがおいしさの秘訣です。加熱のし過ぎが料理をまずくするのです。

しかし、低温を保つのは普通の鍋やフライパンでは至難の技。その難しい温度調節を可能にしたのがハイテク調理家電です。ロジカルな原理原則と現代のテクノロジーで料理は劇的にラクにおいしくなります。調理家電を使わなくても、蒸し器などで代用する方法も紹介しています。

血糖値の急上昇を避ける理由から私はシュガーフリーですが、甘いものを食べたい時はスイーツではなく果物に置き換えます。サラダの材料でもよく使います。今朝はパンの上にスライスしたいちごをのせた朝食でした。ぜひ、みなさんにお伝えしたいのが、「果物も野菜も切り方によって味がまったく別物になる」ということ。野菜は刺身のように切るのがコツなんですよ。

<プロフィール>
かつま・かずよ 1968年東京都生まれ。経済評論家。株式会社「監査と分析」取締役。中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題や若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上等、幅広い分野で発言。

『ラクしておいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』
勝間和代著/アチーブメント出版刊
単行本(ソフトカバー)、192ページ
定価:1300円(税別)
(c)勝間和代

◇百菜元気新聞の2020年5月1日号の記事を転載しました。