三輪素麺の有名メーカーであるマル勝高田商店が手掛ける物販とカフェスペースを兼ねた「てのべたかだや」(奈良県桜井市・本社に併設)が3月1日にオープン。これまでの手延べそうめんの常識を覆す、洗練された和モダンな空間で食べる新感覚「にゅうめん」が話題を呼び、団塊世代だけではなく、あまり手延べそうめんを食べなかった若者層が多く来店し、新たな観光名所になっている。

手延べそうめんの食感を直感的に伝えるネーミング

手延べそうめんの商品名は、これまで、古式ゆかしい和テイストのものが多かったが、より食感を直感的に伝える「しっかり」「もっちり」「つるり」「さらり」「とろり」などのネーミングにし、13種類を用意した。

物販 そうめんは2束入りが基本で、詰め合わせなどもある

新たなそうめんの楽しみ方を提案するカフェスペースは「sumen」と名付けられ、「さらり」と「つるり」のどちらかの麺を選び、海老塩金つゆ、胡桃つゆ、本格黒つゆなどのだしや冷温、トッピングなどをカスタマイズでき、バリエーションは8種類になる。値段は組み合わせによって異なるが500円から780円(税別)と手ごろだ。

「さらり」は熟練の麺師により通常のそうめんに比べ、半分の細さまで伸ばした手延べ麺。コシの強さはそのままに、「さらり」とした食感が特徴。「つるり」はエキストラバージンオリーブオイルを使用し1年以上熟成させた「古物(ひね)」の手延べそうめん。まさにつるりとした口当たりを楽しめる。

店舗入り口 大きな暖簾が目印

職人技の粋がつまった手延べそうめんに、化学調味料・保存料無添加で厳選された天然原料で作られたつゆが絡むことで、最後の一滴まで味わえる、これまでにない麺体験になる。

そうめんには手延べそうめんと、リーズナブルな機械そうめんの2種類がある。リーズナブルな機械そうめんも、技術の進歩とメーカーのたゆまぬ努力で、高級な手延べそうめんに肉薄するクオリティーになっている。

昔の量り売りをイメージしたそうめんの物販

実際、出来立ての「冷やしそうめん」だと、プロでもなかなか判別しにくいほど進化している。冷やしより、にゅうめんで食べると、手延べそうめんの長所である「茹で伸びしにくさ」や「滑らかな舌触り」「コシ」が際立って味わえるので、ツウの中には、にゅうめんを好む人も多い。

つるりと温・合わせ出汁に「奈良の茶飯いなり」をセット

サイドメニューには、ほうじ茶で炊いた酢飯に奈良漬けを合わせた「奈良の茶飯いなり」(300円)がおすすめ。そうめんといなり2個を食べると男性でも十分な満足感がある。

ドリンクも、京都の長岡京を拠点に、東京、大阪、名古屋に店舗を構えるスペシャルティコーヒー「ウニール」のコーヒーのほか、奈良県産の温州みかんジュース、吉野の梅スカッシュ(堀内果実園)などこだわりの品揃えで、カフェ使いもできる。

洗練されたインテリアの店内

〈店舗概要〉
所在地=奈良県桜井市大字芝374番地の1
電話番号=0120・38・3876
営業時間=食事 11:00~16:00(LO)、飲み物・甘味10:00~16:30(LO)
定休日=水曜日・年末年始
座席数=26席

新社屋兼店舗は「森をつくる」をコンセプトに、鉄骨なら簡単にできる開放的な空間を、木造で表現するため木造ラーメン工法など最新の技術を用いた