もうすぐ1年で一番ワインが飲みたくなる、「ボジョレー・ヌーヴォー解禁日」。さて、ボジョレーといえばれんこんメニューですね!「え、なんで?」。馴染みがないのは当たり前。これは今年、姫路で始まった習慣です。11月第3木曜日、フランス発の「お祭り」と、和風の「れんこん」。このマリアージュには7年間の物語があります。れんこん食文化を守りたい!

姫路発おいしい新習慣

姫路にはもともと歴史的にれんこんを食べる習慣がありました。大津の官兵衛地区が一大産地で、小学校の給食でも地産地消として登場していたほど。しかし、ある時期から生産者が少なくなり生産が激減。10年前、地域のれんこん食文化は風前の灯火に。

そこで立ち上がったのがイオン近畿カンパニー農産チームです。生産量日本一のれんこん産地、旧JA土浦に乗り込んで、おいしいれんこんを分けてもらえるよう交渉しました。

それまでも関西エリアに関東産が入っていなかったわけではないのですが、流通経路が長くなるとすぐに変色、劣化してしまう野菜だけに、おいしさがまるで伝わっていなかったのです。これでは次世代にれんこん食文化を残すことはできません。近畿農産チームがそうした課題を何度も熱く語ったことにより、東西のれんこん愛は実を結ぶこととなります。

それからも試練は続きます。保存期間が短いれんこんをどうやってムダにせず、全量食卓へ運ぶことができるか。知恵を絞った結果、真空パックが生まれます。数年前から11月17日のれんこんの日を中心に、イオン近畿カンパニーの大型店では茨城の生産者が集結し、ごあいさつするイベントも恒例となりました。

そして今年、新たな展開が。11月といえばスーパーの店頭はボジョレー一色。せっかく日本一の産地から掘り出されて姫路までやってきたものの、ここでまたワイン関連メニューの下に潜りがち。これが近年の課題でした。それならいっそのこと、ワインに合うれんこんメニューを開発してみたら…。

茨城県内の3JAが合併して、JA水郷つくばとして一つにまとまった今年、地元のイタリアンのシェフも協力したところ、なんとれんこんのホクホク、シャキシャキはジョレーとベストマッチ、という発見が。

さあ、今年からボジョレーといえばれんこん。まずはお試しあれ。

れんこんのアーリオ・オーリオ

【材料】4人分
れんこん 200g
にんにく 1片
チキンコンソメ顆粒 小さじ1
塩・こしょう 少々
赤とうがらし 1本
生ハム 2枚
パセリ 少々
オリーブ油 大さじ1

【作り方】

  1. にんにく、パセリはみじん切り、とうがらしは輪切りに。れんこんは皮をむいて2mmほどの厚さにスライス。生ハムは食べやすい大きさにちぎる。
  2. フライパンにオリーブ油を入れ、火にかける。(1)のにんにくと赤とうがらしを入れる。
  3. にんにくを焦がさないよう、きつね色になるまで炒める。香りが出たら水100ml(分量外)を入れコンソメを加え溶かす。
  4. (1)のれんこんを(3)に加え、炒め煮する。火が通り、水分が飛んできたら塩・こしょうで味を調えて皿に盛り、生ハムをのせ、パセリをかける。

◇百菜元気新聞の2019年11月1日号の記事を転載しました。