スマホ写真を上手に使いこなして、オリジナルのレシピをサイトにアップしたり、写真とともにコラムを執筆したりするときに大切なポイントを連載しています。第4回目は料理写真の向きや角度を意識することで、料理の一番美味しそうなベストスポットをスマホ写真で上手に切り取るコツとポイントをご紹介します。

ヨコで撮るとなんとなく同じような写真に…

前回の記事はこちら
【スマホ料理撮影術】自然光&アプリで明るく!おいしそうに見せるコツをプロが伝授

スマホで撮影するときに、ヨコ向きに構えて料理が全体に入るように撮影することが多いのではないでしょうか。「なんとなくいつも同じような写真になってしまう…」という方は、スマホをタテに構えて撮影してみることをおすすめします。

サイトでの指定やレイアウトの制限などがある場合はその指示通りの設定が必要ですが、タテ・ヨコの指定がなければ、料理写真はヨコ向きよりもタテ向きの構図にするほうが写真の奥ゆきが出て印象的な1枚になると言われています。

<NG例>ムダな余白が…

ヨコ向きに撮影すると、どうしても左右に写り込む範囲が広がってしまい散漫になったり、無駄な余白が出てしまったりしがちです。

上は小松菜と厚揚げの炒め物をご紹介するコラムの写真です。ヨコ向きに構図を意識せずに撮ると、記録写真のような1枚になり、何を伝えたいのか分かりにくい写真になってしまいました。

パーティーメニューやおもてなし献立のように、テーブルクロスをかけていたりお花や季節の小物などが前方などに一緒にあったりすれば、ヨコ向きにしても全体の雰囲気から美味しそうなイメージが想像できます。ですが、普段の晩ごはんのおかずはパッと目を引くというよりも、ホッとする地味なイメージですよね。

ヨコ向きの写真では美味しさや「作ってみたい!」が、なかなか伝わりづらいに感じたためNGとしました。

<プロの技>普段の晩ごはんでも見栄え良く

一方、上の写真はタテ向きです。普段の晩ごはんのおかず写真でも、タテ向きにして料理に寄って撮影することで引き込まれる1枚になりました。

一方でヨコ向きの方が伝わりやすい場合ももちろんあります。下の写真は、前述の小松菜と厚揚げの炒め物で使用する具材について説明する部分で使用した写真です。

調理工程や手順、またこちらのように使用する材料を一覧で紹介するような写真には、ヨコ向きで全体が分かる写真の方が視覚からの理解がしやすくなります。

<NG例>インパクトに欠ける感じ…

レイアウトの指定や制限があってタテ向きの写真が使えない場合でも、その料理が一番美味しく見えるベストスポットを探して撮影してみると料理の印象が大きく変わります。

上は簡単かぼちゃおかずのコラムでご紹介したホットサラダです。丸い食器の中央に料理をおいて真上から撮影したものですが、動きがなくてインパクトのない写真になってしまいました。また、左右の余白も空いていて全体的に少し寂しい感じもします。

<プロの技>器を動かすだけで写真に奥ゆきが

ベストスポットを探す際には、料理を器ごと左右に動かしてみることをおすすめします。お皿の位置や角度を少しずつ動かすことで、料理の表情が変わりますし写真に奥ゆきや動きがうまれます。

そのうえで最も美味しく見えるベストスポットを探して寄ってみたり、真上から撮ってみたりと、自分自身も動いて何枚か撮影してみます。

また丸皿はどこから見ても同じ形なので、スクエアや長方形など動かすことで見える形が変わる食器を使用してみるのもポイントです。

同じかぼちゃのホットサラダでも、上の写真に比べ、美味しそうな1枚になりました。

背景にオレンジ色のマットやかぼちゃのオブジェなども適度に写り込ませることで、「ハロウィンシーズンのかぼちゃの活用について」といったテーマも伝わりやすくなります。

さらに、前述のように構図をタテ向きにして、より料理に寄って撮影するとスマホでもSNS映えする印象的な料理写真にグレードアップしました。

写真の向きと角度で料理のベストスポットを切り取ろう

今回は、2つのポイントについてご紹介しました。

1つは構図をタテ・ヨコ使い分けて撮影してみることです。調理工程や材料の説明をする場合はヨコ向き、最後の仕上がりを美味しそうに見せる場合はタテ向きにするなど、フォーカスしたい部分によって写真の向きを変えてみることで、スマホ写真でも料理がグレードアップして美味しそうに見せることができます。

もう1つは、真正面の中央に料理を置いて撮影する記録写真ではなく、お皿の角度や向きを変えてみることです。動きをつけることで、その料理の一番美味しそうなベストスポットを上手に切り取ることができます。

この2点を意識するだけでスマホでも大丈夫!美味しそうな料理写真をどんどん撮影してみましょう。
次回は、料理を引き立てるスタイリングを通してスマホで美味しそうに見せるコツをご紹介します。