大戸屋ホールディングス(HD)は、ブランディング戦略の新たな展開へかじを切った。新中期経営計画の初年度に当たる今年度は、ブランド力の継承と進化をテーマに「店内加工・調理」と「野菜」を前面に押し出し、20~30代女性をターゲットに利用者・利用シーンの幅を広げる。6月1日から「大戸屋 ごはん処」のグランドメニューを刷新し、栄養バランスと鮮度を訴求。同時に東京都の新丸の内センタービルに創業以来初となる旗艦店をオープンし、新機軸を打ち出していく。

窪田健一社長は5月31日、旗艦店としてオープンする新丸の内センタービル店で行われた記者会見で、「鮮度+バランスの象徴である野菜とおいしい定食を『ファーストコンタクト』として、リブランディングを進める」と今年度の目標を示した。

2016年度に策定した3ヵ年の新中期経営計画では、17~19年度を「継承」「改革」「飛躍」の3期に分け、既存店の強化、店舗数拡大、ヨーロッパへの進出など多岐にわたる施策を行い、3年目には「日本の定食文化を世界へ発信し、世界ブランドにする」(窪田社長)ことを目指している。その第1期目に当たる今年度は、新たなテーマとして野菜を中心に据え、(1)新グランドメニュー展開(2)旗艦店展開(3)発信強化–の三つの柱でブランド進化に取り組む。

新グランドメニューでは、厚生労働省が定める1日の必要摂取量の約半分がとれる「たっぷり野菜メニュー」9品目を投入。サイドメニューも拡充し、自由な組み合わせを定食としてカスタマイズできる「わたしごはん」を実施。「定食の新しい形を広げていく」(窪田社長)ことで、さまざまな年代・利用シーンの提供を推進する。

旗艦店には新技術を導入し、新たな店作りの方向性を示した。創業以来継承してきた「店内加工・店内調理」の社内外へのさらなる認知度向上のため、オープンキッチンを設置。一手間かけた食提供を訴求するほか、デジタルサイネージやタブレット端末によるオーダーシステムを整備した。さらに、セルフレジによって店舗スタッフの省力化を図り、「働き方改革」の面でも旗艦店として情報発信を進める。

また、「店舗で野菜を仕込む」ことを訴求した新CMを展開すると共に、SNSを活用して利用者との距離を縮めることに注力。レシピ動画メディア「デリッシュキッチン」ともコラボし、メニューの動画を配信して手作り感やおいしさを伝えていく。

◇日本食糧新聞の2017年6月5日号の記事を転載しました。