最近、食べたものの中に揚げ物、カレー、チャーハンの三つのうち、どれかが入ってはいないだろうか? この三つは、子どもからお年寄りまで、男女を問わず「好きなもの」にランクインする定番の人気メニュー。単品でも十分オーダー数を獲得できるところを、「これでもか」と三つ合体させたのが、「台湾料理 生駒」の「排骨カレー炒飯」だ。

まかないをメニュー化

「アルバイトの人に『うまいまかない飯を食べてもらおう』と思って作ったのが『排骨カレー炒飯』のはじまり」と話すのは小池光雄店主。その思い通り、スタッフの評判はすこぶるよかった。「これは店でも出せるんじゃないかと思ってメニュー化しました」。

「排骨カレー炒飯」は見ての通り、チャーハンに排骨を添えて、たっぷりのカレーをかけたもの。台湾料理を提供している同店では、排骨は看板メニューの一つ。チャーハンも、もちろんお手のものだ。

1回の仕込みは豚肩ロース約2kg分。秘伝のタレに漬け込む

残るは“カレー”。メニューにはなかったが、排骨の下味用にカレー粉を使用しているので、新規に仕入れる食材は特にない。そうとなれば話は早い。「うちのカレーは作り置きではありません。注文を受けてから一つずつ作るんです」というのが、料理人としての店主のこだわりだ。

カレーは注文を受けてから1食分ずつ作る

カレーのベースはラーメンのスープ

オペレーションは、排骨(同店では豚肩ロースを使用)を揚げながらチャーハンを作り、二つを皿に盛り付けてからカレーに取りかかる。カレーのベースは同店で提供しているラーメンのスープ。カレー粉をメインに調味して、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。「シャバシャバのカレーより、あん状の方が、揚げたての排骨にカリカリ感があります」とこれもこだわり。

2017年7月、人気グルメ雑誌に「排骨カレー炒飯」が紹介されて人気沸騰。「半端ないほど売れましたが、ブームは半年くらいで終わるかな」と思っていたところ、うれしいことに予想は裏切られた。若者から火が付いた人気はSNSを通して拡散し、今では女性客のランチからサラリーマンの酒の締めまで幅広い客層をトリコにしている。

●店舗情報
「台湾料理 生駒」
所在地=東京都墨田区緑4-30-9
開業=1989年12月
坪数・席数=15坪・20席
営業時間=月~土11時30分~13時30分、18時~22時、日・祝11時30分~13時30分、18時~21時30分。水曜休
平均客単価=昼800円、夜2000~3000円
1日平均集客数=100人未満

◇外食レストラン新聞の2019年3月4日号の記事を転載しました。