正統派の寿司から進化した、自由にアレンジする創作寿司。昔ながらのにぎり寿司とともにこうした創作寿司も大いにウケている様子を見ると、日本人というのはつくづく寿司が好きだな、と改めて感じます。また、最近ではシャリにもひと工夫加え、健康感のある赤酢やワインビネガーを使って色と風味をほんのり付けた創作寿司が登場しています。ネタを野菜や肉、フルーツにアレンジするだけでなく、今、シャリも多彩に進化しているというわけです。

野菜ピューレのシャリを使って色鮮やかに

これをヒントにし、野菜ピューレとすし酢を合わせた“野菜酢”を酢飯に使った、色鮮やかな海鮮寿司のご提案です。色とりどりの4種類のシャリにネタを合わせた華やかなにぎり寿司に仕上げましょう。

今回ご提案するのは、薄緑、オレンジ、赤、緑の4色のシャリ。それぞれ色付きのすし酢を作り、これをご飯と合わせて鮮やかなシャリにします。

薄緑色のシャリは、アボカドを裏ごしし、すし酢とともにミキサーに入れて混ぜ合わせた「アボカド酢」を使用。オレンジ色は、パプリカを直火で焼き、皮をむき、すし酢とともにミキサーで混ぜ合わせた「パプリカ酢」を、赤色は、ビーツ(缶)とすし酢をミキサーで混ぜた「ビーツ酢」を、そして緑色はケールとすし酢をミキサーで混ぜた「ケール酢」を使います。

すし酢と野菜ピューレをミキサーにかけて混ぜ合わせ、ご飯と合わせると、ナチュラルで鮮やかな色合いのシャリが完成する

健康感のある食材で、ナチュラルな色と風味を付けるのがポイントです。

どのシャリもすし酢と混ぜた食材のほんのりとした甘さとよい香りが鼻に抜け、普通の酢飯よりも風味のある軽やかな後味が楽しめます。海鮮のネタを使った王道のにぎり寿司でありながら、ポップなその彩りは、バルや洋風のレストランなど、どんな店でも華やかな名物メニューとして提供できるのではないでしょうか。

「野菜ピューレ+すし酢」だけでなく、フルーツビネガーを活用し、爽やかさを加えてもいい。ネタだけでなくシャリに変化を加えることで、日本が誇るにぎり寿司がまた違った魅力を放ってくれるはずです。
(飲食店プロデューサー 青島邦彰)

◇外食レストラン新聞の2019年2月4日号の記事を転載しました。