こんにちは!イギリス在住ライターの平野由香里です。みなさんは「ベジブロス」という言葉を聞いたことがありますか? これはいわゆる野菜くずでとる出し汁のことで、簡単でおいしいうえに家計にも優しいんですよ。
今回は、家計を守りながら働くママのために、野菜のくずや皮を使って作る「ベジブロス」の作り方を紹介します。手順はとても簡単で、集めておいた野菜くずと水を鍋に入れて沸かすだけ。

野菜のくずと皮で作るベジブロス

シンプルなのにおいしく野菜を最後まで使い切れますし、添加物が入っていないので体にも優しいという一石三鳥にもなるレシピです。この機会にマスターし、家計と一緒にご家族の健康も守っていきましょう。

ベジブロスとは「ベジタブル」のベジと「出し汁(もしくはスープ)」という意味の英語「ブロス」が合わさった造語です。出し汁という意味では「ストック」という英語もありますが、ブロスの方が「出がらし」っぽいイメージがありますね。

本来ならここで材料やレシピを紹介するのですが、ベジブロスに明確な材料は存在しません。というのも、ベジブロスとは普段なら捨ててしまう野菜の皮や端っこなどを集めて水と一緒に沸かし、エキスを抽出するものだからです。

そのため、いつもの朝食や夕食の準備の際に出る以下のような野菜くずを確保しておいてください。

● 人参や玉ねぎの皮や硬い部分
● きのこの石づき
● ブロッコリーの皮
● かぼちゃの皮
● ネギの青い部分
● じゃがいもの皮や変色した部分
● きゃべつの芯
● セロリの筋や葉っぱ
● トマトのヘタ

そのほか、食べずに捨ててしまう部分は基本的になんでも使えます。このような部位には野菜の生命維持や栄養運搬のためのエネルギーが集まるので、栄養がたっぷり。「硬いから」「苦いから」という理由だけで捨ててしまうのはもったいないのです。

ベジブロスの作り方のコツ

野菜くずや皮などは保存袋などに入れて冷凍しながら集めていきます。

集める野菜くずや皮などは冷凍すれば腐らないので、好きなタイミングで作れて便利です。使う野菜くずや端っこなどは持っている鍋のサイズに合わせて変わってきます。

ある程度の量が集まったら、野菜くずを鍋に入れてひたひたの水を注ぎます。

野菜くずはすぐに集まるので、ケチらずにたっぷり使いましょう。後はこのまま沸騰させて、5分ほど煮込めば出来上がり。ザルやさらしなどで濾したらすぐに料理に使えます。

野菜くずを煮込むときのポイントとしては、長時間煮込まないことです。わたしの場合は野菜なら種類を問わずになんでも使ってしまうので、ときには苦くなったり渋くなったりすることがあります。

このときに野菜の量が少ないと味が薄くなりますが、味を出そうとして煮込んでしまうと苦味や渋味が出すぎてしまって逆効果です。そのため「大量の野菜くずを短時間で煮出す」というコツを守ると、クリアで濃厚なベジブロスが出来上がります。

キレイなさらしやキッチンタオルを使って濾すのがおすすめです。

ここまで出来たらすぐに料理に使うか、冷まして冷凍保存しましょう。一番おすすめなのは牛乳パックに入れて冷凍することです。冷凍庫の中にスッキリ収納できますし、使うときは包丁でカットすれば好きな分だけ使えます。

ベジブロスの使い方

ミネストローネやポタージュなどのスープ、カレー、シチュー、パスタソースはもちろん、味噌汁にしてもおいしいですよ。ベジブロスはとても万能で、主張しすぎず味の輪郭を作ってくれるので、いろいろな料理に活用してみてくださいね。

いつもは捨ててしまう野菜のくずや皮を集めておいて、水と煮込むだけで簡単にヘルシーな野菜の出し汁が出来てしまいます。だしの素や鶏ガラスープなどは保存ができてひと振りで味が決まるのでとても便利ですが、添加物が気になる方もいますよね。

今回紹介したベジブロスに肉や動物の骨といった旨みはありませんが、野菜から出る豊かな香りと濃厚な旨味で十分に料理がおいしくなります。体にも家計にもやさしいベジブロス、ぜひ作ってみてくださいね。