おでん屋さんの気遣いから生まれた「青森しょうが味噌おでん」【5月29日は、こんにゃくの日】
秋田県秋田市在住のたべぷろ編集部員・山下雄二です。5月29日はこんにゃくの日ですが、これは5と2と9のごろ合わせから決まったそうです。こんにゃくの日を決めたのは全国こんにゃく協会組合連合会という団体です。これは、各都道府県のこんにゃく協同組合の集まりですからなかなかに興味深いですね。
全国的に知られているおでんですが、実は地域ごとの特色があることをご存知ですか? 今回は、私の住んでいる秋田のお隣、青森県の青森しょうが味噌おでんをご紹介します。
青森しょうが味噌おでんは戦後にルーツがある
これはおでんに特製のしょうが味噌をかけて食べるものですが、ルーツは戦後にあるのだそうです。戦後間もない時は寒さに耐えるので精いっぱい。そんな中、青森駅では闇市で売られていた温かいおでんが人気でした。
ある日、青函連絡船に乗るお客さんのために一軒のおでん屋さんがおでんにしょうが味噌を加えました。おでんと生姜でさらに体を温められればという気持ちが感じられますね。
これをきっかけに、しょうが味噌おでんの人気は広がり、青森の定番となりました。青森しょうが味噌おでんはおでん屋さんの気遣いから作られたのです。
青森しょうが味噌おでんはひとつひとつの具材が竹串に刺さっていることが多いです。串に刺した具材に味噌をつけて食べると言えば…そうです、おでんの原型となった味噌田楽に似ていますね。
味噌田楽は、豆腐の串焼きでしたが次第に具材が増え、出汁で煮込むスタイルに変わりました。今でも伝統的な食べ方の残っている地域は多いですが、青森しょうが味噌おでんは偶然にも味噌田楽になったわけです。
生姜の風味が広がる、たれを作ってみました
青森しょうが味噌おでんの決め手はなんといってもしょうが味噌です。市販でも買えますがこちらで作り方が紹介されています。
このレシピによると、必要なものは味噌、出汁、しょうが、酒、みりんの5つです。
今回は2人前で作ってみました。
まず、料理酒のアルコールを飛ばします。
次に、出汁、味噌、みりんを加えていきます。
一度沸騰させたら火を止め、10分間待ちます
ほどよく混ざったら用意したこんにゃくにかけます。こんにゃくは雰囲気が出るように大きく切って串刺しにしていますが、実際は不要です。
いざ、実食
味噌としょうがの風味が口いっぱいに広がり、みりんやだし汁の味がそれを下支えしています。生姜の量が多く不安でしたが、味噌とのバランスがよく、具材ともよく合います。辛いのが苦手という人はしょうがを減らしても良いと思いました。
ただ、青森しょうが味噌おでんを食べて思ったのは「こんにゃくを串にさすと滑る」ということでした。実際に体験しないと分からないことってありますね。
ちなみに、この後余ったこんにゃくをしょうが味噌だれの鍋に入れて和え物を作りましたが、こちらも美味しかったです。
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