「塾弁」とは、塾に通う子どもたちが塾で食べるお弁当のことです。授業と授業の間の短い時間でサッと食べるお弁当。土日や長いお休みの期間は、昼と夜の2食を塾で済ませる子どもも少なくありません。入試目前の今、受験勉強をサポートできる「塾弁」についてのアドバイスとレシピをご紹介します。

脳の働きを活性化させる「ごはん」 集中力アップには水分補給

通塾のための送迎、規則正しい生活リズム作りなど、勉強を頑張る我が子に親ができることはたくさんあります。その中でも、日々の食事作りが占める割合はかなり大きいですよね。積極的に取り入れたい栄養素や摂り方を知って、食事の面から受験生をサポートしましょう。

脳のエネルギー源はブドウ糖です。ブドウ糖は炭水化物に多く含まれていますが、パンよりも白米からの方が効率よくブドウ糖を体内に吸収できるといわれています。

ブドウ糖は体の中からつくりだすことができない栄養素なので、食事から摂り入れるしかありません。ブドウ糖が脳に安定して供給されていると、脳は自制心を発揮して思考力をアップすることができるそうです。ブドウ糖が脳のエネルギーとしてしっかり働く土台作りとしてビタミンB群も一緒に摂取することをおすすめします。

<ブドウ糖が含まれる食べ物>
ご飯、パン、パスタ、うどんなど

<ビタミンB群が含まれる食べ物>
ビタミンB1…豚肉、ごま、アーモンド、大豆製品など
ビタミンB6…マグロ、カツオ、イワシ、鮭、鶏肉、海苔など

脳の80%は水分でできているため、水分の不足は集中力低下にダイレクトに影響します。具体的には体内から2%の水分が失われると一気に集中力が低下することがわかっています。2時間にコップ一杯程度の水分補給を目安に、定期的な水分補給を心がけましょう。

塾弁に大切な量・質・味について

塾弁に大切な3つの要素は「量」「質」「味」です。このうちのひとつでもクリアできればOKくらいの心構えで、作る側も楽しみながら続けられることが理想です。

塾弁を食べられる時間は、ほとんどの塾がおそらく授業と授業の合間の10分~15分くらいです。たくさん食べさせたい気持ちはグッと抑えて、子どもが食べきれる量を探してみましょう。食べ過ぎると血液が消化器官に集まり、脳の血流が低下します。眠くなったり、集中できなくなることもあるので、遠足やレジャーで持参するお弁当の量より少なめが理想です。

塾弁に求められる質とは、高価な食材や手の込んだ調理法ではありません。ここでの質とは「食べやすさ」と「栄養」です。短い時間で食べなければならないことを考慮し、栄養価の高い食品を一口サイズでパクパクと食べられるように工夫してあげましょう。お箸で食べにくい煮豆や骨のある魚は避けた方が無難です。

塾弁が勉強を頑張る子どもの楽しみになるように、子どもの好きな味なおかずを入れてあげましょう。毎日同じようなメニューになってしまっても、子どもが喜んで食べてくれるのであればOKです。

チーズおにぎりでイライラ解消!

チーズにはカルシウムの他、タンパク質やビタミンAが含まれています。また、神経の興奮を抑え精神を安定させる効果もあると言われています。

作り方はいずれも材料を混ぜて、食べよい大きさに握るだけです。

ゆかりチーズおにぎり

<材料>
ごはん 300g
ゆかり 大さじ1
ベビーチーズ 1個…細かく刻む

塩昆布チーズおにぎり

<材料>
ごはん 300g
塩昆布 大さじ1
ベビーチーズ 1個…細かく刻む

おかかチーズおにぎり

<材料>
ごはん 300g
かつおぶし 大さじ1
ベビーチーズ 1個…細かく刻む

たまごやきの栄養価をアップ

定番のたまごやきに具を加え、混ぜて焼くだけで栄養価アップ。バリエーションは無限大です。すでに味のついたお惣菜を使えば、味付け不要で時短調理!

ひじき入りたまごやき

<材料>
たまご 1個
ひじきの煮物 大さじ1

ツナチーズたまごやき

<材料>
たまご 1個
ツナ缶 1缶
めんつゆ 小さじ1
プロセスチーズ 1個…細かく刻む

鶏そぼろたまごやき

<材料>
たまご 1個
鶏そぼろ 大さじ1

合格を願ってついつい気合が入ってしまいがちな「塾弁」ですが、時にはコンビニやファストフードで好きなものを買って持たせるのもアリ!気分転換にもなります。「塾弁」が受験生のプレッシャーにならないように心がけたいですね。