最近の日本は、春があっという間に過ぎて猛暑になったり、冬が暖かかったり、気候がおかしくなってきたのではないかと思うこともありますが、それでも秋の紅葉や春の桜など、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。おいしい旬の食材も、四季を楽しみの一つ。おいしいだけでなく旬の食材は栄養価が高く、値段も安くなり、それらを使った料理はその季節らしさを演出してくれます。
今回は、秋の味覚の一つ「かぼちゃ」を使った簡単サラダをご紹介します。和風の煮物だけでない、かぼちゃ料理のバリエーションを増やしましょう。

チーズ入りかぼちゃサラダ

和風食材と思われがちなかぼちゃですが、意外と乳製品との相性が良い食材です。まずは、チーズと合わせたサラダを作りましょう。

【材料】
かぼちゃ…1/4個
プロセスチーズ…2切れ(約30g)
スライスアーモンド…1つかみ
マヨネーズ…大さじ2

【作り方】

  1. かぼちゃのワタと種を取り、一口大にカットする。カットされた冷凍かぼちゃを用いても良い。
  2. 鍋に(1)のかぼちゃとかぼちゃがかぶる程度の水を入れて火にかけ、落としぶたをし(真ん中に穴を開けたアルミ箔で可)、沸騰したら15〜20分ゆでて柔らかくする。電子レンジ500wでラップをかけて5〜6分加熱しても良い。
  3. (2)が柔らかくなったら湯は捨て、かぼちゃをボウルに移す。5ミリ角にカットしたプロセスチーズ、スライスアーモンド、マヨネーズを加えて和え、器に盛り付けて完成。

かぼちゃは、抗酸化作用のあるベータカロテンが豊富な食材です。ベータカロテンは脂溶性なので、マヨネーズのように油を含むものと混ぜ合わせると吸収率もアップします。甘いかぼちゃにチーズのコクが加わると、おいしさが増します。

かぼちゃとヨーグルトとレーズンのサラダ

かぼちゃは甘い食材です。これにヨーグルトのような酸味のある食材と合わせると、甘酸っぱい料理になり、食欲をそそります。

【材料】
かぼちゃ…1/4個
レーズン…1つかみ
プレーンヨーグルト…大さじ1
マヨネーズ…大さじ1

【作り方】

  1. かぼちゃを柔らかく加熱する。方法は「チーズ入りかぼちゃサラダ」の(1)(2)と同じ。
  2. ボウルにヨーグルトとマヨネーズを入れて混ぜ、柔らかくなった(1)とレーズンを加えて和え、器に盛り付けて完成。

「チーズ入りかぼちゃサラダ」も「かぼちゃとヨーグルトとレーズンのサラダ」も、かぼちゃの形を残して和えたサラダですが、かぼちゃを木ベラなどで潰してマッシュ状にしてもおいしいです。カットしてトースターで焼いたバゲットにのせて食べてもおいしいですよ。

「かぼちゃとヨーグルトとレーズンのサラダ」をマッシュし、プレーンヨーグルトの量を大さじ3にしてスープ状にしたものも作ってみました。食感が違うだけでも違うおいしさが楽しめます。

先ほど、「ベータカロテンは抗酸化作用がある」と述べましたが、では、サプリメントで毎日飲めば、がん予防などになるのかというと、それはまだはっきりわかっていません。

かつて、フィンランドでベータカロテンのサプリメントを喫煙者に投与してその効果を調査したところ、肺がんにかかる率が上昇してしまったということがありました。「フィンランドショック」と呼ばれています。

原因はわかっていませんが、特定の栄養成分に過剰な健康効果を期待するより、通常の食事の量と形でいろんな食材を楽しむほうが、健康に寄与するのではないかと考えられています。旬のかぼちゃも「薬食い」感覚で食べ過ぎないよう、いろんなバリエーションで、常識の範囲で楽しんでいただきたいです。