北欧在住フードコーディネーターの佐々木沙恵子です。海外に住むと現地の人との味覚の違いに驚くこともありますが、今回はほとんどの日本人が苦手な北欧でポピュラーなお菓子、でもデンマーク人が大好きな真っ黒なグミ「リコリス」についてご紹介します。

苦手なのは日本人だけ? 世界一まずいリコリスってどんなお菓子?

日本では「世界一まずいお菓子」と言われることもありますが、北欧で一般的なお菓子のリコリス。元は薬用ハーブとして医療に用いられてきた、スペインカンゾウという甘草の根の甘いエキスを使用して作られています。

リコリスといえば代表的なものはグミやキャンディですが、他にもチョコレートでコーティングされたリコリスや、リコリス味のアイスクリームなどさまざまな種類のお菓子があります。

スーパーやコンビニのグミ売り場には真っ黒なリコリスがずらり。デンマークのお菓子メーカーのグミ「PINGVIN」にはほとんどすべての商品にリコリスが入っています。日本でも人気のドイツのお菓子「ハリボー」にまで黒いリコリス味のグミが混じっているのには驚き。デンマーク人がいかにリコリス好きなのかを感じさせられます。

このリコリス菓子、どうやら発祥はオランダで、北欧だけでなく他のヨーロッパ諸国や北米でもよく食べられているんだそう。フィンランドでは甘草エキスに塩化アンモニウムを混ぜた飴「サルミアッキ」がポピュラー。デンマークやスウェーデンではグミの形状で「ラクリス」と言われ親しまれています。

デンマーク人の友達がおいしそうに食べているので「世界一まずい」というのは誇張されているだけ? と気になったので、試しに勧められたリコリスのグミに挑戦してみました。

リコリスに初挑戦!日本人でも食べやすいものは

恐る恐るリコリスを口に入れてみると、甘ったるい漢方薬のような味がして、これがお菓子?という印象。グミにしては固めで、よく噛まないと飲み込めませんし、お菓子というより薬を食べている感じでした。

お世辞にもおいしいとは言えないものの、一口目は思っていたほどまずくない気がしました。ただ、噛んでいるうちにだんだんまずさが口の中に広がってきて、全部食べきれませんでしたが…。

デンマーク人いわく、リコリスは甘いものと塩辛いものがあり、甘いものは慣れていない人にも食べやすいそうです。私の周りでリコリスを試した日本人からは、「まずすぎて涙が出てきた、飲み込めなかった」なんて話を聞きましたが、もしかしたら塩辛いリコリスを食べていたのかも?(とはいえ、私は甘いタイプも食べられませんでしたが…)

「SALT」と書いているものには要注意! 塩辛いリコリス味の飴はめちゃくちゃまずいとのことです。

とはいえ、元は薬として食べられてきた歴史のあるリコリス。味はともかくさまざまな効能もあり、決して体に悪いわけではありません。デンマークやその他北欧諸国に旅行した時に、怖いもの見たさで現地の味を試してみたい方には、チョコレートでコーティングされたリコリスが食べやすくておすすめです。

こちらは「LAKRIDS(ラクリス)」というチョコレートブランドのリコリス入りチョコレート。ブランド名がそのまま「ラクリス(リコリス)」になっているのにはデンマーク人のリコリス愛を感じます。ちなみにこちらのお店で売っているチョコレートは、リコリス入り以外にもおいしい味がたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

9月3日はグミの日!由来はどこから?

グミのおいしさや素晴らしさを多くの人に広めるために、UHA味覚糖株式会社が制定したのが「9月3日=グミの日」です。日本グミ協会と、グミ・キャンディーを扱う製菓会社により、イベントやキャンペーンなども行われています。