笹団子の上手な食べ方と笹のしまい方を新潟人が伝授
純・新潟人のたべぷろ編集部員、秋山ツクルです。新潟に住まうものとして、季節を感じる食べ物の一つが「笹団子」、あんこ入りのよもぎ餅を笹でくるんだお菓子です。春に芽吹いたよもぎが育つ初夏のころから出始めますが、現在は通年で製造、販売されています。
今回、タイトルを「上手な食べ方、しまい方」とさせていただきました。
「食べ方っていったって、笹をむいて食べるしか…」
はい、それしかないのですが、笹団子経験が豊富な新潟県人の食べ方は、ちょっと違うかもしれませんよ? それに食べ終わった後の「しまい方」のほうにも関心を向けていただこうと考えました。
ほどき方:はさみで「ひも」(いぐさ)を切らないで!
笹団子はたいてい10本ワンセット、1500円くらいから販売されています。5本の束をふたつ結んで10本にしていて、箱や包装を解くと、何もしなくても大きな10本の結び目が一番上に来ていることが多いはず。なぜなら、そこが持ち手だから。
10本の結び目を持って取り出してみてください。自然に左右に5本ずつに分かれます。10本の結び目からこぶし1つ分離れて、左右に5本の結び目が。お団子を1個選んだら、その5本の結び目で切りましょう。引っ張るとちぎれるので、はさみは不要です。
さてこの「ひも」、何でしょうか?
正解は、いぐさ。畳でおなじみですね。
新潟でも地域、お店によって結び方が違うことがあります。何ヵ所も結んでありますが、それぞれの場所にふさわしい結び方になっており、最後にたどり着くお団子の結び目は蝶結び、片蝶結びであることが多いようです。
片蝶結び。ここからほどいていきましょう。
「ほどく」という作業は「どうやって結んでいるか」を逆再生することにつながります。興味がある方はよーく観察しながらほどいてみてください。ヒントとしては「結ぶとき、利き手でぐるぐる巻いて結びます」。よく見て、自然な流れで片方をぐるぐる回してほどきましょう。
もし結び方に興味なんてなくても、長いいぐさは「しまう」時に必要になります。はさみで安易に短くせず、ぜひほどいてください!
いぐさをほどいたら、あとはバナナの皮をむくように・・・
笹は3枚使っている場合が多いですが、笹が小ぶりな場合は4枚使うこともあります。笹がむけたら、どうぞかじってください!
保存料を使わないなど、無添加の笹団子ほど硬くなりやすかったり、鮮やかなグリーンではなく素朴な色合いをしていることが多いかもしれません。もし硬くなったら、蒸し直したりレンジで温めると柔らかく戻ります。
たたんで・・・
ほどいた「いぐさ」で結べば完成。しまいながらも笹の香りが楽しめます。
隠れた名品、新潟スタイルの「ちまき」も紹介します!
笹団子と二卵性双生児のような食べ物が「ちまき」です。具はナシ、味付けも色付けもナシの、もち米100%の三角ちまきです。
亡くなった私の祖母(生きていれば今年94歳)は、これを「つまき」と発音していました。正確には、「ち」と「つ」の間のような、なんとも表現が難しい音。
さらに単に「だんご」と言う場合も特徴が現れます。標準語では「だんご」と平坦に発音すると思いますが、新潟弁では頭の「だ」にアクセントをつけて「だんご」。ダンスの「タンゴ」みたいに(笑)
こちらも笹団子のようにほどきましょう。
笹団子よりさらに立派な幅広の笹を、2枚使っています。
おすすめの食べ方は、お皿にちまきを取り出して。
砂糖はきな粉よりやや少なめ、塩をほんのひとつまみよく混ぜて。フォーク、和菓子用の楊枝などで一口に切り分けて食べれば・・・
きな粉を全方位にたーっぷりつけて食べることができます! 切り分けた断面にもたっぷりと!
新潟は北陸文化にも影響を受けています。きな粉は淡いグリーン、うぐいす色の青きな粉が主流です。
さわやかな笹の香りときな粉のおいしさ、もちもちの食感。2、3個なんてペロリです!
さあ、ちまきもきれいにしまいましょう。2枚のうち、ベタベタの方を早急にたたんで・・・
たたんで・・・もっと小さくたたんだら、
比較的きれいな外側の笹の、ちまきが入っていた部分へ入れてしまいます。
四角くまとめていぐさで結んで・・・ほら、もう厄介じゃない!
どちらもぜひ、たくさん食べてみてください!
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