「カレーハウス すぷーん」の山田真一郎店主の父親は、かつてホテルニューオータニで宴会部門のシェフを務めた人物。「国賓を招いた晩餐会の料理を取り仕切ったこともある」という。父親の下で修業したことはないが、山田店主の盛り付けには、その仕事ぶりを見てきたことで自然と培われたセンスが光っている。

配色のバランスを美しく

例えば、生クリームのかけ方。カレーに生クリームをかけることはよくあるが、ただかけるだけではなく、楊枝1本で雰囲気を出す。

カレーをかけたときにライスが崩れないようにヘラで押さえ、トッピングを盛り付けやすいように平らな土台を作る
生クリームを垂らしてから、楊枝でサッと線を引く

また、トッピングの盛り方は配色のバランスが美しい。「素揚げ野菜カレー」は男女を問わず人気のあるメニューだが、この日の具材はサツマイモ、カボチャ、レンコン、ジャガイモ、ニンジン、パプリカ、ブロッコリー、シメジ、モロッコインゲンの9種類。緑、黄色、赤、茶色、白とカラフルだ。

中央を盛り上げながら、その他の野菜を配置していく。同色を1ヵ所にまとめず、パプリカの赤やブロッコリーとインゲンの緑はバラす。色味が重なりそうなところをレンコンの白で仕切る……など細部まで配慮された一皿が完成する。

【店舗情報】
「カレーハウス すぷーん」 所在地=東京都国分寺市西恋ヶ窪2-6-3

◇外食レストラン新聞2018年7月2日号の記事を転載しました。