北欧在住フードコーディネーターの佐々木沙恵子です。数年前にハワイから上陸して以来、日本でもブームになったパンケーキ。日本ではふわふわで分厚い生地のパンケーキが人気ですが、デンマークのパンケーキは日本のものとは違う薄いクレープ風生地なんですよ。今回は、デンマーク流パンケーキのレシピをご紹介します。

デンマーク流パンケーキのレシピをご紹介

作り方は、いわゆる日本のクレープとあまり変わりません。ただ、デンマークの小麦粉は薄力粉ではなくほとんどが中力粉〜強力粉なので、薄い生地ですがモチモチした仕上がりになります。そこが日本で作成した時と、こちらで作成した時の違いになりますね。

<材料(9~10枚分)>
[A]小麦粉 … 200g
[A]砂糖 … 大さじ1/2
[A]塩 … 小さじ1/2
・牛乳 … 350ml
・卵 … 2個
・バニラエッセンス … 少々
・バター … 大さじ2~3

【作り方】

  1. [A]の材料をすべてボウルに入れて泡立て器で混ぜ、さらに牛乳を少しずつ入れてダマにならないように混ぜます。全体が混ざったら卵を割り入れ、さらにバニラエッセンスを入れて混ぜます。
  2. 中火でよく熱したフライパンにバターを薄く引いて、いったん火から下ろします。
  3. おたまで生地を流し入れて薄く広げ、再び中火にかけて焼きます。
  4. 1分ほどで生地の端が固まってくるので、裏返して30秒ほど焼きます。
  5. 器に盛って、お好みで砂糖、バター、ジャム、ナッツ、アイスなどをかけていただきます。

フルーツやクリームたっぷりの日本のクレープやパンケーキとは違って、付け合わせが砂糖とバター、ジャムのみなどシンプルなのがデンマーク流パンケーキ。

デンマークでは乳製品やジャムが美味しいので、シンプルながら美味しくいただけます。家にある材料で手軽にできるので、おやつやデザートに、ぜひ作ってみてください。

デンマーク人にとってのパンケーキとは

キリスト教圏の欧米諸国では「パンケーキ・デイ」なるものが存在します。

中世の時代からカトリック教徒は、イースターの46日前から断食に近いものを行う「四旬節」という期間を過ごしたあと、キリストの復活をお祝いしていたそうです。この期間は簡素な食事のみで、肉・乳製品・卵など、一般的に美味しいとされるものを我慢しなければいけません。

そのため、断食期間に入る前に、家にある食材でお腹いっぱい食事しよう! ということで、イースターの前に薄いクレープ生地のようなパンケーキをたくさん焼いて、たらふく食べるという習慣ができたそうです。

デンマークのカフェで注文した「アメリカンパンケーキ」。確かにクレープ風生地に比べると厚みはありますが、ふわふわのパンケーキが好きな日本人からすると少し物足りないかも?

現在は、デンマークはキリスト教の国ではありますが、カトリックよりもプロテスタントが圧倒的に多いですし、断食を行なっている人はほとんどいないそうです。ただ、パンケーキの薄さにはこだわりがあるようで、デンマーク人の友達に日本でよく見かける厚めのパンケーキのことを「パンケーキ」というと、「それはアメリカンパンケーキだね」と訂正されました。

毎月10日は「パンケーキの日」

毎月10日は、「パンケーキの日」。日付の由来は、パンケーキを食べる時に使うフォークを「1」、丸いパンケーキを「0」に見立て、「1」と「0」を合わせて10日としたそうです。ハム・ソーセージ、乳製品などさまざまな食品の製造販売をしている日本ハムが、日常的に食べているパンケーキをより楽しむために制定した記念日です。