社長のおすすめの一品を聞くシリーズ第3回目。今回、取材に応じてくれたのは、ロングライフ惣菜でチルド包装惣菜市場に革命を起こした静岡県を代表するメーカー・ヤマザキの山崎朝彦社長。「出張数にもよるが、ほぼ週に1度は利用させていただいている」と紹介してくれたのは、東海軒の「幕の内弁当」(税込み830円)。その魅力について「各地でさまざまな駅弁を食べるが、パッケージがおしゃれであることに加え、東海軒の米飯のおいしさは群を抜く」と話す。

国産米にこだわり

東海軒(静岡市駿河区)は、創業約130年の歴史を誇る老舗企業で、JR静岡駅構内の8店舗を含む計13もの直営店を静岡県内で展開する。魅力の米飯は、国産米にこだわり、浸漬時間を長くするなどの工夫を施し炊き上げているそうだ。

山崎社長は、東海軒との出合いについて「ここまでとりこになったのは、山崎寛治会長に薦められたのがきっかけだが、思い返すと幼少期に親戚が勤める東海軒の運営するレストランに家族でよく食事に行っていた」と振り返った。

ヤマザキ・山崎朝彦社長

山崎社長は、1977年生まれ、静岡市清水区蒲原町出身。武蔵大学卒業後に渡米先のサザン・ハンプシャー大学大学院でMBAを取得。帰国後は、ケミカルメーカーに就職し、04年に同社入社。15年に子会社・ユニデリと同社社長に就任し現在に至る。

学生時代は、バスケットボール部やラクロス部に所属していたというアクティブな一面を持ち、座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。ネガティブな思考に陥らないために大切な言葉だという。

一方で、幼少期に祖母から言われた「仕事ができる人であり、人の役に立つ人間になりなさい」という言葉が原体験となっているとも話し、今後目指す理想像について「社員の思いや考えを受け止められる企業を目指し、一人ひとりが持つパフォーマンスを最大限に発揮できる環境を整え、最終的に自分がいなくても良い組織をつくること」だと語ってくれた。

◇日本食糧新聞聞の2018年6月18日号の記事を転載しました。