日本人に合う和食から健康な体づくりを目指すのが、神戸・元町にある「iro-hanaかふぇ食堂」。“バランスの良い食事”をキーワードに、一般客からアスリートまで対応するメニューを提案。ランニングと食事のイベントも開催し、仲間づくりとともにリピーターの増加にもつなげている。

ランナーの常連客が練習前後に利用も

一昨年にオープンした同店のターゲットは、アスリートを含む一般客全般。多くの人に気軽に利用してもらい、食事と運動、美容との関係を知ってもらうのが狙いである。アスリート食を感じさせないソフトな店構えで、利用客は8割が女性。リピーターも増加中で、ランナーの常連客が練習前後に利用することも多い。

オーナーの吉川哲雄さんは、元高校球児でマラソンやトライアスロンに挑戦する“アスリート料理人”。スポーツと食の大切さを実感するようになったのは、マラソンを始めた10年ほど前から。しかし、外食ではなかなか求める店と出合えず、「ならば、自分でやろう」と開店に至ったという。

吉川さんは、もともと和食の料理人で、野菜コーディネーターの資格も持つ。目指したのは、日本人の体をつくってきた和食による健康へのアプローチ。メーン料理に、3~5種の小鉢類を組み込んだ定食スタイルで、栄養バランスの取れた食事メニューを考案した。

使用する野菜は、徳之島産の旬の味。春は、甘味が強く煮崩れしにくい新ジャガも活躍する

ご飯には、白米に黒米・赤米・押し麦を配合した、同店オリジナルの雑穀米を導入。小鉢は週替わりで、旬の野菜がふんだんに使われているのも魅力だ。野菜は、故郷・徳之島の実家で生産するものを使用しており、安心感があり納得できる味を提供できるのも強みという。

高タンパク低カロリーの「アスリート定食」も

ランチには、一番人気の「バランス定食」(1000円)をはじめ、健康志向をアピールする四つの定食を用意。中でも、アスリート向けの高タンパク低カロリーの食事として提案するのが「アスリート定食」だ。メーンは肉&魚料理の2品、小鉢は5品と、ボリュームたっぷり。たくさん食べたいという人にも好評で、常連客から利用が広がっている。

同店ではランニングシューズの販売代理店も行っており、靴選びのアドバイスや、トレーニングの相談にも対応している。また、初心者向けの「ナイトラン」(ランニング&食事、1500円)を不定期で実施。走る楽しみを知り、仲間づくりや交流を深める機会になっている。

女性が入りやすい、かわいい外観

「今後は、管理栄養士によるカロリー表示や、仕事帰りに練習する人のための、ロッカーやシャワーを備えたランニングステーションを作るのが目標」と吉川さん。ランナー人口の底辺を広げ、店の利用も伸ばしていきたいと話す。

【店舗情報】
「iro-hanaかふぇ食堂」(神戸市中央区)
所在地=神戸市中央区元町通4丁目2-25
開業=2016年7月
坪数・席数=15坪・18席
営業時間=11時30分~14時30分、17時30分~21時。不定休
平均客単価=昼1000円、夜3000円
1日平均集客数=10~20人

◇外食レストラン新聞の2018年6月4日号の記事を転載しました。