新進の100%子会社であるパターテ・ジャパンは23日、北海道・函館にある築90年の洋館「旧岡本邸」を改装し、“ジャガイモ”をコンセプトにしたカフェ「函館パターテ」をオープンした。道産ジャガイモ「キタアカリ」のニョッキや海鮮を使ったクロケッタ(コロッケ)、ジェラートなどを提供。道内の有名洋菓子店の焼き菓子なども販売する。浦澤幸志社長は、「ニョッキを函館名物にして、この店から道産食材のおいしさを全国に発信したい」と意気込む。

店舗は映画「PとJK」の舞台にもなった洋館

ニョッキには、道産ジャガイモ「キタアカリ」を使用。自家製ソースをかけたゆでニョッキや、オリーブオイルで揚げた揚げニョッキを提供する。チョコレートやキャラメルソースをかけたスイーツニョッキも販売する。

具だくさんの海鮮を詰め込んだクリームクロケッタは、「カニ&イカスミ」「甘エビ&コーン」などを販売。ブランド牛の「函館和牛」を使用したクロケッタも開発した。

また、季節ごとの味覚が楽しめるジェラートは常時10種類をラインアップ。「さっぽろスイーツ2017コンペティション」でグランプリを受賞した安孫子政之氏(ドルチェヴィータ)のスイーツや、道内有名店の焼き菓子なども購入できる。コーヒーは、函館の老舗「美鈴コーヒー」にこだわった。

「パターテ」とは、イタリア語で「イモ類」の意味。新進がBtoC事業の中核として設立したブランドだ。子会社のパターテ・ジャパンが“サツマイモ”をコンセプトにした「川越パターテ」とともに同店を運営する。

名物のニョッキは、関連会社の北海道新進アグリフーズが7年前から業務用で生産を開始。市内のイベントに出店するたび話題となり、店舗化を望む声が多かったという。

函館パターテの外観

店舗として使用する旧岡本邸は昭和初期建築物の傑作の一つ。観光客の多い元町の八幡坂と日和坂の間に建ち、映画「PとJK」(監督=廣木隆一監督、主演=亀梨和也、土屋太鳳)の舞台にもなった洋館だ。

22日に行われた関係者向け内覧会で新進の籠島正直会長は「店舗開設がゴールではない。地元の食材にこだわった付加価値のある商品を揃えたい」とした上で、「将来的には東京、海外での展開も視野に入れる」と展望を語った。

店舗概要は次の通り。▽住所=北海道函館市元町32-5▽電話=0138・62・2622▽席数=20席▽営業時間=午前10時~午後6時(不定休)▽アクセス=市電「末広町駅」徒歩10分、巡回バス「元町」バス停から徒歩3分

◇日本食糧新聞の2017年4月28日号の記事を転載しました。