白鶴酒造は銀座にある東京支社の屋上で栽培した自社開発酒米「白鶴錦」を使った大吟醸酒「白鶴 銀座 天空農園の酒」を発売した。限定20本で販売価格は1万円(外税)。銀座松屋、銀座三越で販売する。

同社は銀座で日本酒文化を発信したいという思いから07年に白鶴銀座天空農園プロジェクトを立ち上げ、東京支社屋上で自社開発酒米「白鶴錦」の栽培を始めた。

大都会でのコメ栽培という難しさを克服し08年には田んぼの造成を行い品質向上を図り、09年には「食の尊さ」を感じてもらおうと近隣の小学生を招き、田植え・稲刈りの体験学習を開始。14年から灘の蔵に収穫米を送り大吟醸酒の醸造を開始した。

小野寺裕郎東京支社長は今回の「天空農園の酒」大吟醸について「出来上がった商品は少ない数だが、フルーティーな香りとキレのある味わいを楽しんでいただきたい」と紹介した。

今回初めて天空農園の指揮を執った高尾翔太氏は「屋上は機械を持ち込めず、ほとんどすべてが手作業だった。皆さまにおいしく飲んでいただければ、苦労も吹き飛ぶ」と栽培米を見守った感想を語った。

◇日本食糧新聞の2018年6月6日号の記事を転載しました。