北野エース調布パルコ店(東京都調布市)は、10年4月から京王線調布駅前のパルコ地下1階食品フロアに展開している。17年9月に成城石井トリエ京王調布店が至近距離にオープンし、グローサラント機能を備えた旗艦店として注目を集めた。4月27日に調布パルコ店の売場を一新、地元密着・シニア対応をテーマに商圏ニーズを深掘りする。

「カレーなる本棚」も健在

地域商品として、地ビールを加えたレトルトカレーを開発した。観光名物の「深大寺そば」にちなみ、米飯だけでなくそばにかけても食べやすく設計している。その他の地域商品と合わせて「アイラブ調布」コーナーをつくり、SNS投稿用に撮影可能なスポットとしている。

地元コーナーに隣接してレトルトカレーを本棚風に陳列した「カレーなる本棚」を配置する。今ではカレーの陳列手法として採用する店も多いが、元祖は北野エースで、本格的な導入は調布パルコ店からという。改装に合わせて売場を広げ、ルーや調味料を含め約400品を揃える。

食品フロアの中心客層であるシニア向けに、日本酒の品揃えは改装前の1.5倍に拡大、有料試飲コーナーも導入した。また、諸国銘菓コーナーを広げてギフト需要に対応する。ベンダーから調達する惣菜も、シニアを意識して小容量を充実させる。

特徴のある商品が多いグロサリーは、試食コーナーでの提案に力を入れる。だしバー、ドレッシングバーといった催事で好みの商品の発見を促す。ベーカリーは沿線の有名店から調達するほか、全国の名店から日替わりで取り寄せる。日替わりパンの物流には宅配便を利用している。

同店の売場面積は105坪(345平方m)で、約7000品目を扱う。

◇日本食糧新聞の2018年5月30日号の記事を転載しました。