静岡県在住の元祖農業ガール・藤野いち子です。春の果物といえばいちごですね。いちごと聞くと、栃木や福岡・熊本のイメージがあると思いますが、私の地元静岡県もいちごの生産量は全国4位(農林水産省作物統計調査)です。
「あきひめ」や「紅ほっぺ」、最近登場した品種の「きらぴ香」など、静岡生まれの品種もあります。農家に生まれて、毎年冬から春の、採れたていちごをたっぷり食べて育った私は、大人になった今も静岡いちごが大好きです。
5月を過ぎるとシーズン終盤を迎えて、傷みやすいけれどぐっとお買い得になります。せっかくなので、お得ないちごをおいしくいただきたいですよね。そこで、いちご農家直伝、おいしい食べ方のご紹介をしたいと思います。

お買い得!春のいちご。完熟いちごは直売所を探して

春のいちごハウスの中はポカポカで汗ばむほど。まずは、天然の甘い香りの中で深呼吸。目の前に広がるの鈴なりの真っ赤ないちごたちはとってもおいしそうです。

4月以降は日照時間が伸びて気温も高くなるので、いちごは早く赤くなります。それは一見いいことのようですが、甘みがのらない場合もあるため「やはりいちごがおいしいのは冬だよな、ちょっと高いけれど」と思うことも。

もちろん春のいちごでも、完熟するまで収穫を待てば甘くはなりますが、果肉が軟らかくて傷みやすくなるので、農家も直売所で販売するのみで市場には出せません。ですので、春の完熟いちごを味わえるのは産地ならではなんですね。

この時期、売り切れなかった完熟いちご。静岡のいちご農家のお母さんたちはジャムにして販売しています。ただ、ジャムを作るとなると少し手間がかかりますね。それでなくても春は忙しいので、あまり手間をかけてはいられません。

そこで、農家でいつもやっている、時間をかけずに保存がきいておいしく食べられる方法、それもとびっきりおいしい食べ方を教えてもらいました。

かき氷ならぬ「かきいちご」にミルクをかけて

用意するのは「かき氷器」です。わが家のかき氷器は、子どもの保育園のバザーで500円で買ったものです。どことなく昭和っぽい雰囲気が…。しかし、いまだ切れ味抜群で、夏場は大活躍です。手動式タイプならば通販で3,000円台からあります。一台あると便利ですよね。

まずはイチゴをサッと洗い、ヘタを果物ナイフなどで取り除きます。水分を切って保存容器に入れ、冷凍庫にIN。


冷凍したイチゴをかき氷器に入れて、クルクルと回すと・・・アラっ、豪華な「かきいちご」が完成です!牛乳や練乳をかけてサクサクっといただくと、心も踊る高級アイスクリームのような食感!

冷凍したいちごを解凍して食べようと考える方は多いと思いますが、一度冷凍したいちごを解凍することで水分が出てしまい、色も見た目も悪く、おいしく食べることが難しくなってしまいます。

かきいちごとして食べれば、見た目もきれいで、夏のおもてなしにもぴったりなんです。

いちご農家は、夏場は収穫はありませんが、炎天下で土づくりなどの重労働があります。熱中症対策に、かきいちごも一役買っているということです。

いちごの中に練乳たっぷり!「丸ごといちご練乳アイス」

かき氷器はないけれど時間ならある!という方に試していただきたいのが「丸ごといちご練乳アイス」。いちごの中をくりぬいて練乳を入れて冷凍する、シンプルアイスです。

くり抜く道具は細い果物ナイフやマドラーなどで。私の場合はドライバーセットに入っている工具を使いました。

丸ごといちご練乳アイスは、買えば1個80円くらいしますが、自分で作れば格安ですよね。

静岡の農家直伝、いちごの食べ方を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。時間があるときはコンフィチュールやジャムを作ってもいいと思います。紅ほっぺのように芯まで赤いいちごを使えば、宝石のようにきれいに作れます。かきいちごに添えてもステキですよ!

お得ないちごを使って、春の恵みを満喫してくださいね!