お漬物の日本一を決める「漬物グランプリ2017」決勝大会が4月27~29日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれます。
最終審査は29日に行われ、審査委員と来場者の実食審査とプレゼンテーションを勝ち抜いた作品がグランプリに輝きます。
日本で最も古い加工食品として伝統的な食文化を担う漬物は、食物繊維やビタミンを豊富に含み、機能性に富んだ健康食品ともいわれています。今回のイベントでは、「お漬物大好き!」という人も「実は、お漬物を食べる機会があまりなくて…」という人も、思わず身を乗り出してしまいそうなユニークな漬物がたくさんエントリーされているんですよ。
たべぷろ編集部が、これは新しい!と驚いた「お漬物」10作品をピックアップしてみました。

見た目はミルフィーユな「漬物ケーキ」

まずは「個人の部」から紹介していきましょう。

「これって、本当にお漬物!?」と思わず叫んでしまいそうになったのが、その名も「漬物ケーキ」(大阪府・中野康子さん)です。キャベツや玉ねぎ、スライスチーズ、スモークサーモン(またはハム)などを交互に重ねていくのだそうで、見た目はまさにケーキのミルフィーユ!

お漬物の概念を激しく揺さぶる“ニュー漬け物”とでも言うべき存在ではないでしょうか。
デザートで出されても全く違和感を感じないであろう外観で、「若者にも漬物を広めようとフレンチ的にしました」という中野さんのコメントにも納得です。

かぶの白とオリーブの黒……スタイリッシュなイタリアンお漬物

白と黒の取り合わせがアートっぽい「かぶとオリーブのイタリアン漬け」

「かぶとオリーブのイタリアン漬け」(茨城県・宮本恵子さん)は、和食の象徴・お漬物にあえてオリーブを投入-という姿勢に冒険心を感じさせられる作品です。
「かぶの白とオリーブの黒がスタイリッシュになるよう色の合わせ方をシンプルにしました」(宮本さん)というだけあって、お漬物でありつつも抽象画的なアートっぽさも漂っています。

和洋問わず引っ張りだこの食材・かぶ、おしゃれ洋食の代名詞的存在・オリーブにタッグを組ませたことで、宮本さんの狙い通り「和洋料理に合い、活躍する場が多い漬け物」になりそうです。

雪国のトマト農家が考案したドライトマトと大根の“雪椿”

大根の白、ドライトマトの赤が美しい「にいがた雪椿」

「にいがた雪椿」(新潟県・曽我千秋さん)は、ドライトマトとプレーンヨーグルトを使った、これまたお漬物の先入観を打ち砕く意欲作です。8年前にトマト農家に嫁いだ-という曽我さんは、「いかにシンプルで誰でも作れるトマト料理をお客様に提案できるか」と考え、一年を通して価格変動がなく安定的に提供できるドライトマトの活用レシピを思いついたといいます。

大根の白、ドライトマトの赤の取り合わせが、「庭にある椿に白い雪がおいかぶさった様子にとても雰囲気が似ていることに気付き」(曽我さん)、「にいがた雪椿」と名付けたのだとか。雪国のトマト農家さんが作った和と洋の融合を感じさせるお漬物です。

17歳高校生の斬新な発想、中まで赤いべったら漬け

べったら漬けが赤い!「紅色べったら」

べったら漬けといえば、たぶん知らない人はいないであろうお漬け物界の“有名人”ですが、「紅色べったら」(福島県・福島明成高校農業と環境課題研究班)には衝撃を受けました。べったら漬けなのに赤い!
17歳高校生ならではの斬新な発想です。

応募した福島明成高校農業と環境課題研究班によると、初めに中心部まで紅色を染み込ませた大根漬けを作り、さらに麹の部分にも赤シソの紅色で色付けしています。「べったら漬け」は麹の部分を落としてしまう人もいますが、「紅色べったら」は麹の部分も一緒に食べられるそうですよ。

かんぴょうと日野菜を活用、滋賀愛あふれる一口サイズロール

一口サイズがうれしい「ぱくっとかんぴょうロール」

綺麗な彩りに、思わず手を伸ばしてぱくっと食べてしまいたくなりそうなのが「ぱくっとかんぴょうロール」(滋賀県・加藤千紗子さん、梅井真由美さん)。スティック状にした大根、キュウリ、ニンジンと滋賀特産の日野菜を、これまた特産の水口かんぴょうで巻いた一口サイズのお漬物です。

「普段はあまり使われることのないかんぴょうの新たな使い方の提案」とともに、「滋賀の特産である水口かんぴょうと日野菜を広く知ってもらうきっかけに」(加藤さん、梅井さん)という地元の食をPRしたいという思いから開発したそうです。

料理の付け合せに大活躍? シャキシャキ食感のサラダ漬物

セロリの黄緑とパプリカの黄色が美しい「ディルセロリ」

次は、「法人の部」から気になった作品をピックアップしていきましょう。

「ディルセロリ」(愛知県・丸越)は、その名の通りセロリとハーブのディルを使った甘酸っぱいピクルス風のお漬物です。
ターゲットは漬物にはなじみが薄そうな20~40代女性。「そのままサラダ漬物としてシャキシャキの食感を楽しめる」(同社)ため、肉・魚料理の付け合せとしてもオススメですが、朝食のパンやヨーグルトにも合うといいます。ダイスカットしたパプリカの黄色が効いていて、お皿の中がぱっと華やぎそうですね。

まさに“萌え断”!? サンドイッチみたいなお漬物

外観はほとんどサンドイッチ…の「季寄せ重ね するめ入り」

「これはサンドイッチ?」と思わせる外観で目を引いたのが、「季寄せ重ね するめ入り」(愛知県・三井食品工業)です。

厳選した国産白菜をベースに、ニンジン、野沢菜、スルメ、昆布を重ね漬けしているのだとか。美しい切断面が命!の商品だけに、手切りで規定サイズに整形、包装しているそうですよ。

50~60代女性の贈答品、自宅用を想定した商品といいますが、“萌え断”ブームが記憶に新しい昨今、若い世代のハートも鷲づかみ間違いなしです。

ターゲットはずばり“男女を問わず、お酒を好む方”

お酒のお供にぜひ!「大人のチーズサンド 桜島大根の粕漬とクリームチーズ」

これまた“サンド”で勝負してきたのが「大人のチーズサンド 桜島大根の粕漬とクリームチーズ」(鹿児島県・中園久太郎商店)です。“世界一大きな大根”桜島大根の粕漬けにチーズを挟んでいて、ターゲットはずばり“男女問わず、お酒を好む方”。

桜島大根の粕漬けの美しい琥珀色とチーズの黄色のコントラストが特徴で、一口サイズに切って出せば、酒の席のおつまみとして喜ばれること間違いなしです。ちょっと意外ですが、ピザのトッピングにも使えるそうですよ。

パリポリ食感が楽しい! “食べるラー油”とたくあん漬けがコラボ

食べるラー油とたくわん漬けがコラボした「京都のお漬物屋さんがつくった食べるラー油『一菜の素(OKAZU NO MOTO)』」

ご飯のお供として確固たる地位を築いた感のある“食べるラー油”。

「京都のお漬物屋さんがつくった食べるラー油『一菜の素(OKAZU NO MOTO)』」(京都府・あっさり漬食品工業)は、食べるラー油とたくあん漬けがコラボした「今までの食べるラー油とは一線を画する食感」(同社)がポイントです。

2種類の唐辛子をブレンドしたラー油は辛さの中にもほんのり甘みがあって、お漬物ならではのパリポリ感も楽しめます。炒め物、トースト、冷奴、スープなど、活用法はアイデア次第だそうですよ。

大人の紫……ワインらっきょうはチーズとの相性もGOOD!

紫色が印象的な「国内産ワインらっきょう」

最後に、大人っぽい紫色が印象的な「国内産ワインらっきょう」(栃木県・すが野)をご紹介しましょう。
厳選された良質の国産ラッキョウを使用し、シャキッとしたラッキョウの食感とスッキリしたワインの香味が特徴の一品です。ラッキョウの芯までしっかり味が乗るよう、ワインらっきょう用に開発した特殊ワイン液に漬け込むのがポイントといいます。色合いを生かして添え物・前菜に使えるほか、チーズとの相性も抜群だそうです。

「お漬物日本一」が皆様の1票で決定します!

「漬物グランプリ2017」最終審査に残ったお漬物の中には、ぜひ食べてみたいユニークな逸品がまだまだあります。「漬物グランプリ2017」決勝大会では一般来場者の実食審査もあるので、興味を持った方はぜひ会場に足を運んで、自分の舌でジャッジしてみてくださいね。

「漬物グランプリ2017」の一般来場者実食審査は、「法人の部」が4月27日・28日11時~、12時~、14時~、15時、29日が11時30分~。「個人の部」は29日13時~です。

各回とも100食限定。最終審査/プレゼンテーションは「法人の部」が29日12時~13時45分、「個人の部」が同日13時45分~14時55分に実施。表彰式は同日15時40分~。
詳しくは→ 公式サイト「漬物グランプリ2017」