「ヌードルズ&カンパニー」は、懐にやさしい値段で世界各国の麺料理を食べられる人気のチェーン店。カウンターで注文して支払いを済ませば、席に着き、あとは料理が運ばれるのを待っていればいい。ウエーターサービスのあるレストランの雰囲気で、しかも、チップを払うことなく食べられることから、ファストカジュアルはますます人気だ。チップは、請求額の2割ほど払う必要があるので、ばかにならない。

スパゲティから焼きうどんまでメニュー豊富

コロラド州デンバーが発祥の地で、現在、500店以上を持つ同チェーンのメニューは、8$程度。スパゲティ・ミートボール、マカロニ&チーズ、ペンネ・ローザなどの他、ストロガノフ、パッタイ、ジャパニーズ・パンフライド・ヌードルズ(和風の焼きうどん)を含む、各国の麺料理を加えた幅広いラインアップ。各々の麺料理に合うスープやサラダなどのサイドディッシュも揃えている。

「ジャパニーズ・パンフライド・ヌードル(ブロッコリー、ニンジン、椎茸、モヤシ、黒ごまとコリアンダーをうどんと炒めたもの)」(レギュラー5$89¢、スモール4$49¢)

うれしいのは、スモールサイズも選べること。おかげで、いろいろな料理を少量ずつ食べることもできるし、小腹を満たしたいときに適量をチョイスすることができる。

メニューの情報が豊富で、それぞれのメニューアイテムに合うお薦めのサイドディッシュを挙げ、さらに、似通った味のものを選ばないよう類似メニューアイテムをもリストアップして、メニュー選びの手助けをしている。

また、それぞれのアレルギー関連の情報や、カロリー、脂肪、コレステロールなどの栄養価もしっかり提示されており、至れり尽くせりのカスタマーフレンドリーなメニューだ。家族連れに子ども用のキッズメニューも用意している。

「コリアン・バーベキュー・ミートボール」(10個4$89¢、5個2$99¢)。コチジャンを絡めた韓国風肉団子

アメリカナイズされた麺料理

一番人気は、アメリカのコンフォートフードのマカロニ&チーズ。第1号店をオープンしてから最初の20年の間に5000万皿分が売れた。好みに応じて、別料金でミートボール、鶏むね肉のグリル、マリネしたステーキなどを付け足すこともできる。

同品にお薦めのサイドディッシュとしては、ガーリック・ブレッド、グリーンサラダ、トマト・バジル・ビスク、そして類似した競合メニューアイテムには、バタード・ヌードル(バターとパルメザンチーズを絡めたエッグヌードル)やチキンヌードル・スープやステーキ・ストロガノフを挙げている。

確かに、マカロニ&チーズとバタード・ヌードルでは、どちらも同じような味覚で飽きてしまう。

具がたっぷりで腹ごしらえのできるサラダ3種

同店で食べられるのは、オーセンティックな世界の麺料理というより、アメリカ人の舌に合うようアメリカナイズされた麺料理だ。むしろ、各国の料理からヒントを得たアメリカの麺料理といった方がいいかもしれない。

メニューのバリエーションが幅広く、何食か続けて訪れても、異なる味覚を選べるし、嗜好(しこう)の違う人がグループで訪れてもそれぞれの味覚を満足させられることで、集客につなげている。

また、カスタマーフレンドリーなメニュー情報に加え、ファストカジュアルではありながらも、プラスチックや紙の皿でなく、カスタムメードの瀬戸物やステンレスのフォーク、ナイフを使っていることも、心地よい食体験につながっている。

シャープなイメージの店舗外観

◇外食レストラン新聞の2018年5月7日号の記事を転載しました。