山形県天童市在住のたべぷろ編集部員・宮田にゃめろんです。秋田県出身で山形歴は6年目になりましたが、まだまだ山形の食文化に驚かされることばかりです。
今回は、組み合わせにびっくりしてしまう「ひっぱりうどん」という山形ならではの食べ方を、簡単なアレンジ方法とともにご紹介したいと思います。山形はお蕎麦やラーメンも有名ですが、それだけではないんです!

保存食から生まれたユニークな食べ方

そもそもひっぱりうどんは、山形の厳しい冬に備えるための保存食、乾麺や缶詰を手軽に食べる方法として普及したと言われています。作り方は非常に簡単で、うどんを茹で、その上にサバの水煮缶と納豆を載せ、めんつゆや醤油などのタレを絡めて完成です。

非常にシンプルでありながら、インパクトの強い食材が組み合わされているので、少し心配になるかもしれません。しかし、一度食べるとクセになる味、食感なのです。

サバの缶詰が良いアクセントになり、納豆のねばねばが食欲をそそります。夏バテで食欲がない時や二日酔いの時などにもツルっと食べられるほど、むしろ食べたくなるのが不思議です。

かくいう私も、妊娠初期でつわりがひどかった時、このひっぱりうどんには大変お世話になりました。手軽に作れて、あっさりと食べられるのが大きな魅力ですね。

ツナ缶バージョン

いろいろな食材でアレンジが楽しめる

ひっぱりうどんに載せる具ですが、地域や家庭によってさまざまにアレンジされているようです。シンプルな料理だけに各家庭の好みがあり、食材のバリエーションも豊富です。

使われている缶詰でサバ缶の次に多かったのがツナ缶です。作り方は、ただサバ缶がツナ缶に変わるだけです。サバ缶に比べて魚の臭みが少なく、よりあっさりと食べたい人はこちらの方が食べやすいと思います。その他にも、ネギなどの薬味やキムチなどをトッピングしたり、生卵や温泉卵を絡ませながら食べたりするなど、お好みによって楽しめます。

誰でも簡単に作れるひっぱりうどん。家庭で楽しもう!

いかがでしたか? どれも簡単に真似できるアレンジではないでしょうか。

ひっぱりうどんという名前の由来は諸説ありますが、「鍋に入ったうどんをひっぱり合うほど美味しい」ということから付いたとも言われています。知らない人同士でも、同じ鍋でうどんをひっぱり合った仲になり、距離が縮まるそうですよ。実は、人と人との絆を思い出させてくれる、そんな郷土料理だったんですね。

ここまでご紹介したアレンジは簡単に揃えられる材料ばかりで、小さなお子様でも楽しんでトッピングができると思います。ぜひ、ご家族でいろんなアレンジをしたり、うどんをひっぱり合ったりと楽しんでみてはいかがでしょうか。