ニュートリーは12日、東京都千代田区のホテルニューオータニで、「第8回嚥下食レシピ大賞」の表彰式を開催した。今回は、全国の病院・介護福祉施設から48施設90点の応募があり、大賞2点を含む8点が表彰された。

川口晋ニュートリー社長は「本日お集まりの皆さんの知恵と工夫がたくさん詰まったレシピから、嚥下(えんげ)食のファーストフォワードイノベーション(より良きことを前に進める)を感じた。食べられない人を食べられるようにしてあげるレシピをありがとう」と、同社がこれからも高齢者が食べられる環境づくりにまい進する決意として感謝の言葉を述べてあいさつとした。

特別審査委員の金谷節子金谷栄養研究所長は「応募される方々の職歴が多彩で、フレンチレストラン ミクニで修業した方もいた。多彩な経験が嚥下食の分野に生かされて新たな嚥下食を切り開いていかれることに期待する。また、介護食現場でこういうものが欲しいということをどんどんニュートリーにぶつけて食べられない方を救うことに挑戦してもらってほしい」と、受賞者の栄誉とニュートリーの取組みをたたえた。

社会福祉法人西春日井福祉会の小島真由美事業推進課長補佐は「今日は、交互嚥下という手法を取り入れたレシピが出てきた。硬さやまとまりやすさの違うものを組み合わせる交互嚥下を意識している方はまだ少ない。応募作品の質が高まっていると感じた」と、受賞者の日々の努力をねぎらって講評とした。

表彰式に先立ち、金谷節子金谷栄養研究所長は「嚥下食の最新情報と今後の展望」のテーマで記念講演し、受賞施設はレシピのプレゼンテーションを行って日々の研さんを共有した。

各部門の受賞は次の通り。
〈施設のおすすめ嚥下(えんげ)食部門〉
《レシピ大賞》▽介護老人保健施設サンプラザ長岡(新潟)「洋梨とピスタチオのケーキ ~ショコラdeグラサージュ~」《レシピ賞》▽特別養護老人ホームモエレの里(北海道)「豚肉のリエット ロッシーニ風余市産りんごの自家製コンフィチュールと共に」▽特別養護老人ホームさつき荘(茨城)「こんがり焼きもちのお雑煮」▽特別養護老人ホームこもれび(熊本)「お祝いにピッタリ! 華やか巻寿司」《ルーキー賞》▽前野病院(東京)「年越しそば」

〈おうちでできるえんげ食部門〉
《レシピ大賞》▽徳山静養院(山口)「特別な日に♪スモークサーモンの薔薇」〈レシピ賞〉▽介護老人保健施設サンプラザ長岡(新潟)「おうちで簡単海鮮ユッケ“越後長岡みそソース仕立て”」▽沼隈病院(広島)「ミートドリア」

◇日本食糧新聞の2018年4月23日号の記事を転載しました。