日本ジャム工業組合は、4月20日「ジャムの日」の認知拡大を目的にしたイベント「ジャムの日を広める会~ジャムに恋する3日間~」を長野県小諸市と東京・銀座NAGANOで開催。14日、日本のジャム発祥の地、長野県小諸市の「あぐりの湯こもろ」で、昨年に続きイベントを開催。菓子研究家の福田里香さんによる「季節の果物でジャムを炊く」をテーマにした簡単なジャム作りの実演・トークやスタンプラリー、ジャムのつかみ取り、工業会会員の商品紹介、県内の組合員によるジャムの販売などが行われた。

イベントで小泉俊博市長は、6次産業化の先駆けといえる、先人が残してくれた小諸のジャムを後世に残す必要性を強調した上で「小諸市民や県外の皆さまもジャム発祥地の小諸を広めて」と呼び掛けた。

小泉市長は小諸のジャム発祥のキーマンとして、塩川伊一郎氏と1893年に開校した私塾「小諸義塾」の木村熊二塾長を挙げた上で、旧光岡村の塩川伊一郎父子が木村熊二氏の助言を受けて、明治期に果樹栽培に取り組み、桃の栽培と缶詰製造、販路開拓に成功したと説明。さらに、工場稼働効率化のため農家にイチゴ栽培を推奨すると同時に独自の買い上げシステム・地域雇用促進を構築し「ジャム」製造を開始。明治天皇にジャムが献上されたことで名実ともに小諸のジャムの品質の高さを示すこととなったと説明。

野澤栄一理事長は「ジャムは、果物をいつでもどこでも手軽においしく食べる方法のひとつ。ジャム発祥の地である小諸の皆さまには、ジャムに親しんでいただき、さまざまなジャムを作ったり、いろいろな食べ方を楽しんでいただき、食文化をさらに豊かなものにしていただきたい。果物は、そのままもおいしいが、砂糖を加え加熱するとさらにおいしさが増す。小諸の郷土料理にジャムメニューが加わることを期待すると同時にジャム文化の発展にご協力ください」とあいさつした。

会場には、オープンと同時に多くの人が詰めかけ、子どもたちは、ジャムの空き瓶を使ったオリジナル瓶の製作やジャムのつかみ取りに笑顔で挑戦。さらに、地元のジャムメーカー、ジャムと相性が良いパン屋、チーズ製造メーカーのブースにも商品を購入する人が詰めかけた。

福田さんによる「季節の果物でジャムを炊く」をテーマにした、いちごジャムの実演とトークショーには女性を中心に多くの人が参加し、イチゴの選び方やイチゴと砂糖の比率、吹きこぼれない材料と鍋の口径の関係などジャム作りの秘訣(ひけつ)とさまざまな果物を使用する方法やジャムの食べ方などについて、熱心に耳を傾けていた。

◇日本食糧新聞の2018年4月20日号の記事を転載しました。