海の幸豊かな長崎県出身のたべぷろ編集部員・三木純人です。長崎は、歴史的にも国際色ゆたかな場所です。食文化も独特で、和食・中華・西洋料理が合わさって「和華蘭料理」と呼ばれています。別名の「卓袱(しっぽく)料理」のほうが全国的に有名かもしれませんね。
あの坂本龍馬も長崎の国際的な雰囲気を愛していて、当時の花街にあったお気に入りの料亭で、卓袱料理に舌鼓をうっていたといいます。基本的に卓袱料理はコースで提供されますが、一部の料理は気軽に食べることが可能です。今回ご紹介するハトシもその一つです。

名前の由来からして国際的な「ハトシ」

たべぷろでは以前にも「ハトシ」についてご紹介しています。

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この料理はもともと明治時代に清国から長崎に伝わり、広東語で「蝦多士(ハートーシー)」と呼ばれていたそうです。意味は、蝦(ハー)はエビで、多士(トーシー)はなんと英語のトーストの音訳なんです! つまり、中国で生まれた西洋風の食べ物が日本に伝わって、「長崎ハトシ」として今に至るわけです。

ハトシはその名前の通り、エビのすり身を食パンで包んで揚げた食べ物です。今では中身もバリエーションに富んでいて、エビのほかにもイカや魚のすり身、肉、チーズなど、お店ごとにいろんなハトシが食べられます。

冷凍のハトシを揚げてみた

長崎ではハトシが中華街、かまぼこ店などの店頭で売られていて、すぐに食べることができます。やはり揚げたてが一番おいしいので、今回は冷凍のハトシを買って家で揚げてみました。

ハトシはお店によって形が異なります。三角形や四角形のものもありますが、私の購入した「長崎ハトシロール」は食パンで丸く包んでありました。

長崎の味 まるなか本舗のかまぼこ 長崎ハトシロール

ハトシを揚げる前。エビのすり身を食パンでロールしてある

まずは電子レンジでしっかり解凍して、150℃くらいの油で5分程度、時々まわしながら揚げます。こんがりきつね色になれば出来上がりです。

ハトシを揚げた後

ではさっそく、揚げたハトシにかぶりついてみましょう。おおっ、外側はおどろくほどサックサクです! そして中は、ホクホクのエビがたっぷり。ビールのつまみにも合いますし、3時のおやつとしても喜ばれる長崎ハトシ。これまで食べたことがないという人には、ぜひ一度味わっていただきたいです。

「そんなこと言っても、長崎なんてそう簡単に行けないし…」と思っていませんか? 大丈夫です。長崎に行かなくても、揚げたてのハトシを食べることができますよ。冷凍のハトシが通販でも買えるので、ぜひ揚げたてを食べてみてください。