京都土産として知名度が高いつぶあん入り生八つ橋「おたべ」や「京ばあむ」などを製造・販売する美十は、昨年12月20日に発売した「みっくちゅじゅーちゅまんじゅう」を、大阪土産として定番化を目指す考えだ。

同社は、硬い八ッ橋が主流であった時代に、つぶあん入り生八つ橋を発売し、急成長した。「京都土産といえば、『生八つ橋』」という現在の市場状況を築いたパイオニア企業の一つだ。

旧社名は「おたべ」。京都土産以外にも商品群を広げ、「おたべ」以外の商品の比率が高くなってきたこと、おたべのイメージが強すぎると他府県の土産の製造販売に影響がでることから、15年に現在の美十に変更した。

同社は、大阪土産では、生八つ橋のような定番がないと考え、「中之島ラスク」「大阪さくさくワッフル」などを投入し、市場開拓に注力してきた。今回、飲料メーカーの日本サンガリアベバレッジカンパニーが販売する人気飲料「大阪生まれのフリフリみっくちゅじゅーちゅ」とコラボしたミルクまんじゅうを上市し、シェア拡大に向けて攻勢をかける。

同飲料は関西の喫茶店定番メニューの一つ、ミックスジュースを再現した商品。オレンジ、リンゴ、パイナップル、モモ、バナナの果汁5種をブレンドしたまろやかな味わいが特徴で、第20回食品ヒット大賞優秀ヒット賞(日本食糧新聞社主催)を受賞している。

同商品は、同飲料をイメージしたあんを包んでしっとり軟らかく焼き上げたもの。税抜き価格は、1個120円。6個入りが720円、10個入りが1200円。現在は新大阪駅や大阪駅、大阪市内の主要売店などで販売し、スーパーなどでの催事販売も検討中だ。

島本崇弘同社マーケティング部チーフは「大阪土産の定番になるように、これから販促活動を活発化させる」と意気込んだ。

◇日本食糧新聞の2018年3月2日号の記事を転載しました。