巷で話題の「サラダチキン」。確実に需要が高まっている中で、一正蒲鉾が得意とする“魚”で何か提案をしたいと生み出されたのが「サラダフィッシュ」です。サラダチキンと同様に低カロリー・低脂肪に加えて、魚ならではのDHAも摂取できる! これまで練り製品を避けていた若い女性からも熱い視線が注がれていて、SNSでも話題沸騰中!

想定外! SNSでの拡散

大手スーパーでも陳列しているサラダフィッシュ。従来、練り製品のメイン購買層は50代以上と高めなのに対して、若年層も含めこれまで購入していなかった消費者からも手に取られています。サラダチキンに似ている形状ということもあり、店頭での視認率も抜群。
特にダイエットをしている人がSNSで取り上げて話題になるなど、想定外の反応も見られているようです。

食べる際に手で裂く必要があるサラダチキンに対し、サラダフィッシュは小さな5つの塊でパッキングされているため食べやすく、さらに調理しやすい工夫も評価されました。
味は<プレーン><バジル>の2種を用意。特に<バジル>は若い方に人気で、単身の女性がダイエット目的で買って行くことが多いそう。

サラダフィッシュ<バジル>

 

魚であることの価値を存分に生かす

そんなサラダフィッシュも開発では苦労を重ねています。一番の悩みは既存アイテムとの差別化。“サラダチキンのような歯ごたえだけれども、かまぼこでもない”――そうした新しい食感を作り出すことに調整を重ねました。

また、高タンパク・低カロリー・低糖質を謳う「サラダチキン」を目指して開発するも、魚特有のDHAを付加する点でまたもや問題発生。DHAは脂分に値するため、付加することで必然的にカロリーも増えてしまうのです。また、すり身を作る工程で必ず砂糖も使われているため、どうしても糖質の数値も上がってしまう。白身魚のようなほぐれる食感に加え、DHAを増やしたいけれどもカロリーを抑えたいという複雑な調合が必要でした。

こうして最終的にはカロリーを抑え、DHAを謳うことで落ち着きました。健康感を付与して新しい価値の訴求に成功したのです。

一般的に練り製品売り場に対するイメージカラーは、なんと「茶色」! そこで、これまでの売り場にはない新しさを演出をしようと考えたのが、このデザイン。背景のサラダの色合いがおいしさを引き立てていますね!キャッチコピーの「これからのかまぼこの形」でも商品コンセプトをアピールしています。

練り製品業界に活気を!

サラダフィッシュのムニエル

 

今は店頭POPやヘルシー商材とのコラボメニューの提案、HPでアレンジレシピを紹介するに留まっている販促も、今後はあらゆる仕掛けを検討中。トライアルユース喚起を図るために、ドレッシングを添付してメニュー想起に繋げたり、パッケージ裏面でのメニュー提案も予定しています。

伝統食品としてのイメージが強いかまぼこですが、今後は製造方法や食べ方提案などで新しい価値を生み出していきたいと思っています。若い方にも、どれだけ摂食してもらえるかが本業界のカギになるのではないでしょうか。
「これからのかまぼこの形」を訴求し、イメージを払拭して幅広い年齢層に練り製品を浸透させたいですね。

 

※より詳しい内容は「食品 新製品トレンド」で掲載。お問い合わせは新製品研究会まで。

 

インタビュー:
一正蒲鉾株式会社
マーケティング部 マーケティング課 課長代理 鈴木かさね氏
♥メッセージ♥ 角切りにしたアボカドと「サラダフィッシュ」に、マヨネーズ3:ヨーグルト3:めんつゆ1を混ぜたドレッシングをあえる「アボカドサラダ」は、美容に敏感な女性に特におススメです!