この数年継続中のギョウザブーム。大阪でも新店舗が続々とオープンし、まだまだ人気は加速中である。その中でも、まさに“驚き”の創作ギョウザを提案するのが、昨年6月にオープンした「餃子酒場 餃、(ぎょうてん)」。ギョウザの中身とともに食べ方にもこだわるメニューで、リピーター獲得に成功している。

気軽なギョウザバルとして人気

大阪・天満は、グルメタウンとして飲食店がひしめく激戦区。ギョウザを出す店も多く、新店舗には特徴が求められる。同店では、ギョウザメニューを10種類以上用意し、多彩な創作ギョウザも提案。いろいろな味とともにお酒を楽しむ、気軽なギョウザバルとして成長中である。

同店の名物メニューは、ギョウザを焼かない「お刺身餃子」。ギョウザのタネは、ネギトロとイクラ、たくあん。ギョウザの皮を、10秒ほど湯通しして氷水で締め、具材を巾着形に包んで形を作る。具材それぞれの異なる食感と皮のモチモチ感を楽しめる、ユニークな発想である。

お刺身餃子(2個421円、税込み):写真手前から時計回りに、「河内餃子」(ピクルスをのせた状態)、「お刺身餃子」、「カレー出汁の海老水餃子」。ドリンクは、フローズンフルーツを使用した「フルーツサワー」(518円・税込み)

「“酒場”なので、メニューはお酒と合うものを考案しています。ギョウザには、いろいろなスタイルが登場していますが、“どこにもないもの”というのがポリシーです」と、オーナーとしてプロデュースする宮上誠吾さん。宮上さんは、大阪のカレー鍋発祥店である「宮がみ屋本店」の創業者。ギョウザにも斬新なアイデアが生かされている。

タレの代わりにピクルスも

その他、地産地消と食べ応えにこだわり開発したのが、「河内餃子」(4個518円・税込み)。具材には、大阪産黒毛和牛「なにわ黒牛」のミンチや泉州産キャベツなどを採用し、通常の倍ほどのビッグサイズで製造。肉の甘味とコク、野菜のうま味がガツンとくる、満足感ある人気商品となっている。

さらに、提供方法も同店ならではの流儀があり、お刺身餃子以外は、基本的にタレを出さないスタイル。それぞれのギョウザに施した味付けを生かすため、その味に合うものを提案している。

例えば、河内餃子には特製のピクルスが添えられており、酸味と甘味がギョウザを絶妙に引き立てる。「ギョウザには、酢醤油とラー油」という既成概念が覆される、新鮮なおいしさだ。

明るくカジュアルな雰囲気の店内

利用しやすく女性人気が上昇中

メニューでは、系列店の宮がみ屋の味も導入。「カレー出汁の海老水餃子」(4個734円・同)は、同店のカレースープをそのまま使用し、プリプリ感たっぷりの海老ギョウザをスパイシーに味わえる。残ったスープに、チーズとご飯をプラス(302円・同)してリゾットもOKという、“お楽しみ”も好評である。

以前は男性客が多かったが、今では女性客オンリーという日があるほど女性ファンが増加。店舗は若い女性スタッフのみで運営しており、入店しやすい雰囲気も魅力だ。スタッフは、季節のギョウザメニューなども考案しており、女性目線でも味の幅を広げている。

<店舗情報>
「餃子酒場 餃、(ぎょうてん)」
所在地=大阪市北区天神橋4-12-1 天満駅前ビル2階
開業=2017年6月
席数=20席
営業時間=17時~23時、日曜休
平均客単価=2000円
1日平均集客数=15~40人
客層=会社員、男女比5:5

◇日食外食レストラン新聞の2018年2月5日号の記事を転載しました。