岡山県赤磐市在住のたべぷろ編集部員・にーやんゆりこです。岡山生まれ、岡山育ち。穏やかな瀬戸内海と気候に恵まれた岡山は肉・魚・果物・野菜・酒と食材全般が美味しく、気に入っている土地です。さて、毎月11日は「麺の日」。麺にはいろいろありますが、今回ご紹介したいのは、B級グルメの岡山名物「ひるぜん焼そば」です。

「ひるぜん焼そば」のルーツ

昭和30年代、岡山県の蒜山高原では、各家庭で工夫して調合した、タレで焼そばを食べることがブームになっていました。昔からジンギスカンで有名であった蒜山地域では、家庭や店舗でもこのジンギスカンのタレを使い鳥肉を焼くことも多かったのです。

ブームの火付け役となったのは、「ますや食堂」と言われています。
むね肉(親鶏)とキャベツ(蒜山高原産)を具材に、リンゴや玉ねぎが入った味噌ダレを絡めて作った焼きそばが地元の間で人気となったのです。

「ひるぜん焼そば」はソースが違う

通常の焼そばの材料というと「中華蒸し麺、豚肉、キャベツ、玉ねぎ、もやし、しょうゆ、ウスターソース、オイスターソース」といった感じでしょうか。

でも、ひるぜん焼そばの材料はちょっと違います。具材は、鶏かしわ肉(鶏むね肉)とキャベツだけです。そして、一番特徴的なのがソースです。ひるぜん焼そばで使うのは、濃厚な味噌ベースの甘辛ダレ。

家庭で作ったひるぜん焼そば

岡山県は「ソース消費量 全国2位」という記録を持っており、ソースやタレを使う料理を好む地域です。事実、2011年のB‐1グランプリでは、1位「ひるぜん焼そば」の他、2位に「津山ホルモン焼うどん」がランクインし、岡山名物の味噌ダレ料理が大奮闘したのでした。

また本場の蒜山高原地区では、かしわ肉に親鶏を使います。親鶏はかめばかむほど味が出て、味噌ダレと絡むと美味しいのです。そして、蒜山高原はキャベツの一大生産地ですので、甘みたっぷりの地元キャベツを具材に入れるのが特徴です。

「ひるぜん焼そば」の味噌ダレの作り方

ご家庭でできる味噌ダレのレシピをご紹介します。

【材料】(約500ml分)
・リンゴ:1個
・タマネギ:1/2個
・ショウガ:15g
・ニンニク:1片 (チューブを使ってもOK)
・酒:45cc
・みそ:大さじ1+小さじ1
・しょう油:140cc
・みりん:90cc
・七味唐辛子:小さじ1
・白ごま:小さじ1
※分量は好みに合わせて多少調整してください。

【作り方】

  1. リンゴをざく切りし、タマネギ・ショウガ・ニンニクも細かく切る。
  2. 1と酒、味噌をミキサーに入れ、約30秒間かける。
  3. 2を鍋に移し、しょう油・みりん・七味唐辛子・すりゴマを加え、一度かき混ぜる。保存を効かせるために2~3分ほど煮たら出来上がりです。2週間ほど冷蔵庫で寝かせれば、よりまろやかな仕上がりになります。

味噌ダレを作るのが面倒なら「ひるぜん焼そば」のキット

岡山のスーパーでは、200円前後でキットの「ひるぜん風焼そば」が購入できます。

キットには、味噌ダレと、タレがよく絡む中太の中華蒸し麺が入っているので、用意するのは鶏むね肉とキャベツだけ。ひるぜん焼そばのタレだけを売っているお店もあります。本場のお店では鉄板で焼いてくれますが、自宅ではフライパンかホットプレートを使って調理します。

毎月11日の麺の日には、ぜひ家族や友人達とひるぜん焼そばを楽しんでください。