池袋の小さな人気店の絶品どら焼き
どら焼きはごく庶民的な和菓子だ。あまり相手に気を使わせることがなく、ちょっとした手土産として持参するには最適なアイテムの一つだろう。だが、手土産といえども大の大人が他人に贈るものだ、家族に買って帰る場合とはわけが違う。
老舗の銘菓と肩を並べる21世紀生まれの人気店
やはりそれなりに「気が利いている」と思われたいし、わざわざ感も少しは欲しい。そうしたニーズに応えてくれるのは、やはり著名な老舗のどら焼きだ。東京には、「うさぎや」「亀十」「草月」「清寿軒」などといった、いずれもおよそ90年以上の(中には江戸時代の創業という)歴史を持つ銘店がいくつも存在する。
しかし、今世紀に入ってから生まれたばかりの小さな和菓子店が販売する、こうした老舗と肩を並べる人気のどら焼きがあるのをご存じだろうか。それがこの「すずめや」のどら焼きだ。
「すずめや」は、池袋駅から歩いて10分ほどの場所にある本当に小さな和菓子店だ。民家の一部を改装した店舗は売場部分がおそらく1坪ほどしかない。周辺は繁華街から少し外れていて、人通りも少ない細い路地に面している。わざわざ探し当てて行かない限り、店があることすら気づかないような場所だ。
この店のどら焼きがなぜそんなに有名になったのかといえば、その理由はただ一つ。「おいしいから」だ。見た目はごく普通のどら焼きだが、一口食べればその違いは歴然としている。実力のある職人が丁寧に作り上げた逸品であることは誰にでも分かるだろう。
同店の菓子は品揃えもごく少なく、その日の商品を売り切ってしまえば閉店となる。商店の原点ともいえる潔さだ。商品開発やマーケティングなどを超越したプロの仕事がここにある。「食べ物を売ること」について考えさせられる銘菓なのだ。
「すずめや」 所在地=東京都豊島区南池袋2-18-5
◇外食レストラン新聞の2017年12月4日号の記事を転載しました。
タブロイド判16~24頁・月刊・オールカラー。専門紙でありながらフリーペーパーという新聞業界初のコンセプトで外食専門紙トップの発行部数5万8000部を誇ります。広告効果も抜群。ぜひお試しください。
詳しくはこちら
コメント
記事コメント投稿サービス利用規約に同意の上ご利用ください。