東京都に住むパンライターの大谷りえ子です。最近じわじわと人気が高まり、店頭にも並ぶようになったシュトレン。ドイツではクリスマスの4週間前から一切れずつ食べ始め、イブの夜に「最後の一切れ」を食べてクリスマスを迎えるのが本場ドイツの習慣です。

冷凍したシュトレンでパフェ

発祥の地ドレスデンで作られるクリスマス用のシュトレン「ドレスドナー・クリストシュトレン(Dresdner Christstollen)」は、2010年に商標登録されていて、保護対象となっています。

小麦粉1kgにつき、使用できるのはなんと500gのバターor溶かしバターの上澄み、650gのレーズン、200gのレモンピールとオレンジピール、150gのアーモンド! 材料の分量配分が厳しく定められています。

そんなシュトレン、普通にスライスして食べても美味しいのですが、せっかくなのでアレンジを。冷凍してパフェにしてみました。

冷凍したシュトレンを細かくしてグラスに入れ、バニラアイスクリーム、生クリーム、ゼリー、フルーツ、そしてトッピングにもシュトレン。

シュトレンパフェの出来上がりです!

シュトレンの美味しさを引き出す食べ方、リメイクはほかにも!

シュトレンのおいしさを引き出す方法は、パフェ以外にもいろいろあります。ほかの食べ方、リメイク法をご紹介しましょう!

方法としては、以下の三つがあります。

(1)温度を変えてみる
基本的には常温で食べますが、バルミューダトースターで焼くと甘さが少し抑えられ、ふわっと香りが立ちます。常温では感じない風味を感じることができます。

(2)飲み物との相性
シュトレン自体が甘いので、紅茶や珈琲はストレートで飲むのがお勧めだと思います。ドイツの寒い夜にクリスマスマーケットでよく飲まれるホットワイン(グリューワイン)は、ホットワインのフルーティな香りとシュトレンのスパイスの香りが調和して、心も身体もぽかぽかになります。赤ワインで大人の楽しみ方も。

(3)ちょい足ししてみる
サワークリームとクロテッドクリームがおすすめです。甘いシュトレンには、サワークリームの酸味がほどよく調和します。ジャムとともにスコーンに付けて食べるのが一般的なクロテッドクリーム。脂肪分の高い牛乳を弱火で煮詰めたものを一晩おいて、表面に固まる脂肪分を集めて作られるものですが、これが意外にもシュトレンと相性がぴったりです。

熟成したドライフルーツがたっぷり入ったシュトレンは絶品です

クリスマス前に作られるシュトレンですが、店頭に並んだものをすぐ購入して食べる味と、訪れる聖夜を楽しみにしながら少しずつ食べていく味では、その味わいに変化が現れます。

ドイツやヨーロッパでは、マジパンがたっぷり詰まったシュトレンが主流。マジパンとは、粉末のアーモンド・砂糖・卵白をこねてペースト状にしたものです。

私はドイツ駐在中、この味わいが少し苦手でしたけれど、日本で味わうようになったらなぜか好きになりました。日本で今年販売されているシュトレンは、マジパン入りが少なかったようです。日本人の好みに合わせていたのでしょうか。

日本では、シェフのアイデアによってシュトレンも抹茶、チョコレート、黒豆などバラエティにとんでいます。

国内外から集めたシュトレン12種類の食べ比べイベントを開催しました!

先日、国内外12種類のシュトレンを用意して『シュトレン食べ比べ』イベントを開催しました。なかなかシュトレンを1本購入しても食べきれませんよネ。

会場はパンライターとして『たべぷろ』サイトで記事を掲載してる『NPO法人日本ホテルレストラン経営研究所』のサロンで開催させて頂きました。参加した皆様、それぞれに好みが違うことを改めて知りました。

みなさま、素敵なクリスマスをお迎えください。

<パンを購入したお店>

▽関東以外
*トラン・ブルー
*アトリエ・タブリエ
*ベッカライ&コンディトライ ヒダカ
*ベッカライ・ ヘスティア
*パン屋たね

▽関東近辺
*happyDELI(代表梶晶子)
*パンのオオトヤ
*ブーランジェリー・ジャンゴ
*ブーランジェリー・ヌクムク
*タンネ浜町本店(ネット販売のみ)
*メゾンミコのビオ・ブッターシュトレン

▽台湾
*呉寶春麥方店(台湾で世界一になったパン屋さん)