九州の郷土料理を提供する「侍」では、ごまだれを活用したまかないが親しまれている。
九州では、新鮮なサバの刺し身を甘辛いごまだれに付けて食べる「ゴマサバ」がおなじみ。このごまだれを、同店では醤油、みりん、酒、練りごまを合わせ、店独自の味に作り上げている。そして、「どんな食材にも合う万能だれ」として、まかないにも重宝しているのだ。

「特に、脂ののった魚や、こってりとした肉には、よく合う。残った刺し身の切り身とごまだれをあえて丼にしたり、豚ばら肉を焼いてごまだれをかけるまかないも定番ですね。ご飯が何杯でもイケる味ですよ」と、同店の椎屋店長。取材当日のまかないも、ご飯、味噌汁、野菜料理に、ワラサの端っこ部分をごまだれとあえた小鉢料理が添えられていた。

もともと同店のまかないは、スタッフがすべての料理をお客さまに説明できるよう、店で提供するメニューを出すことが多く、椎屋店長いわく、「スタッフがお客さまに聞かれて説明に困りそうなものをよく、まかないにしています。ですので、例えば“がめ煮”など、イメージしづらい郷土料理が多くなりますね」。

スタッフにとっては、九州の郷土色豊かな珍しい料理が食べられる、うれしいまかないというわけだ。

店舗情報
「侍 日本橋店」
東京都中央区日本橋茅場町2-5-6 日本橋大江戸ビル1階

◇外食レストラン新聞の2017年12月4日号の記事を転載しました。